「ああ、そういえばシュンスイ君」
それは雲一つない昼下がり。
黄昏の灯台の拠点である舟の一室が、その一言で静まり返った。
シュンスイ君、と呼ばれた当のポケモンは「まさか他の団員が居るこのタイミングで?」という気持ちで。また、依頼を達成した帰りであろうノア、おぐり、ヌメメの団員達も「一体どういうことだ?」と、副ギルドマスターに目線を寄せて押し黙っている。
「君も仕事で忙しいでしょうから、港町のお店も周りきれていないでしょう?皆で食べてください」
そう言って副ギルドマスターが懐から取り出したのは瓶詰めにされた砂糖菓子だった。
(この金平糖はサンを迎える際にアンベリールに渡す菓子折りを選ぶついでに買ったものだが、部外者であるシュンスイにはその経緯を知る由もない)
「あ、ありがとうございます……」
「シュンスイ君、ねえ?へえ〜〜ぇ?」
団員達に凝視されていることに気づきもしないザンセツに堪えきれなくなったのか、ノアがもう片方の相手に話しかける。
「あ、あぁ…実はザンセツさんとは同郷のよしみなのですよ」
「どーきょーのよしみ?」
聞きなれない単語に、おぐりが素っ頓狂な声で鸚鵡返しをした。
「生まれた土地が同じという意味ですが…僕たちは群れの中で番を作ることが多いので、血縁者でもありますね。家族、親戚という言葉の方が近いかもしれません」
おぐりの疑問に、今度はザンセツが答えた。
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時間軸は二章インターバル辺りです。
お借りしました
おぐりちゃん【illust/72235779】
ヌメメちゃん【illust/72236313】
ノアさん【illust/72235056】
ザンセツさん【illust/72234783】
シュンスイ【illust/72234607】
任務外の時であれば他の団員が居ても「シュンスイ君」呼びになります。
また「ザンセツさんとシュンスイが同じ群れ、血縁者だ」ということも、黄昏の灯台のギルドメンバーであれば誰でも情報を共有してくださって構いません。
質問に答えて下さった割橋さんありがとうございます。
不都合な点がありましたらパラレル・スルーお願いします。
2019-03-21 11:40:28 +0000