石商■火動砦の顔が抉れていた。ほんのわずかな時間の出来事だった。
突如、眼前に現れたノーザリアの巨兵。なぜ接近を許したのか、混乱に包まれながらも、火動砦の主砲第一射が放たれる。
一閃、雪原を貫く光条。
真っ白に湧き上がる白煙の中から、その姿を現す巨兵。
熱線に融かされた分厚い盾が、滴り落ちる。北の巨兵は主砲の直撃を逸らした。さらに前に出る。
第二射、間に合わない。轟音が、衝撃が、乗員たちを襲う。
巨兵の重く止むことのない攻撃と、遠方から飛来した予期せぬノーザリア軍の砲撃により、一撃また一撃と抉られていく火動砦。
損傷を受けたファイアランド側のゴーレムの胸と腹が、あやしく光る。重壁騎士団団長自らが乗り込み、
その巨体の関節を限界まで軋ませる。轟音によって、聞こえるはずの音もかき消されていく。
立ち上がる黒い鎧。北方の民の野心と、炎の国の民の覚悟が、衝突する。
■常夜の氷壁ケイヴァンさん【illust/73126162】
お借りしました！
こちらの続きです。【illust/73380206】
■ケイヴァンさんは巨大化の能力持ちなので、火動砦側が（少々距離の離れた）ノーザリアの巨人たちや兵士に対する
砲撃に気を取られている間に、人間の大きさで接敵して、その後巨大化したものと思われます。
急な出現にフォートブレイズの回頭が間に合わず、捉えきれないうちに発射した主砲の一撃は、盾を掠めて雪原に消えていきます。
その後、ミューフレア士長が駆る火と鉄のゴーレム（仮）が迎撃にあたるという流れです。
2章も大詰め！
火動砦フォートブレイズ【illust/73441726】
ミューフレアの火の鉄のゴーレム【illust/73058502】
2019-03-02 15:01:23 +0000