(さて、どうしたものか――。)
怪物が操る雪塊を切り払いつつ思案する。
こういった怪物の常として末端をいくら破壊しようとも決定的なダメージは与えられないものだ。
倒すには魔法などで全体を一気に吹き飛ばすか、ピンポイントに本体…核になっている部分を叩く必要がある。
ちらりと仲間に目を向ける。
全員何とか凌いでいるが、中々決定打を与えられない状況の中徐々に疲労の色が見え始めている。特に、極寒のこの地はリュウカとアルフォンソにとって自分達よりいっそう厳しい環境だ。いつもより若干動きが鈍い。加えてアルフォンソは手負いである。長引かせるのはまずい。
(せめて少しでも怪物の動きが鈍れば・・・。)
と、その時あるものが目に入った。
毒々しい色をした何かの破片。
(グウェニュイン殿の毒ゴーレムの破片か!)
「アルバートさん!」
トーグが叫ぶ声を聞きとっさに横に跳ぶ。
数秒前まで体があった位置を雪の鎌が薙いだ。勢いで転がるアルバートを追撃する雪の塊をグリューウルムの光線が消し飛ばす。
「助かりましたぞ」
「いえ。でもまた来ます」
体勢を立て直して礼を言うアルバートにそう返し、グリューウルムが杖を構え周囲を睨む。
いつの間にか全員が近くに寄り、背中を預ける形になっていた。
しばし静寂が辺りを包む。
「リュウカ殿」
緑竜の戦士の名を呼ぶ。アルバートが左手に握った物を見せると、彼女は何事か察した様だった。
「来ます!」
テノンが叫び全員が構える。リュウカの眼前の雪が騒めき怪物の顔が現れた。
『ヨ、コ、セェエェェ……!!』
不明瞭な言葉を発しながら怪物がリュウカに向けて突進する。
(ここだ!)
「そんなに喰らいたいなら、これでも喰らっているがいい!」
アルバートは怒声を上げると、大きく開かれた怪物の口に向かって毒のしみ込んだゴーレムの破片を投げつけた。
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と、いうような事があったかもしれない(←)上手い事毒が効いてくれれば良し、効かなければその時はその時で・・・。
状況はこちら【illust/73417907】から。仲間に助けを求められたのならなるだけ応えていきたい・・・!
とはいえ状況も大分動いているのでかなりパラレルってます。いつもの如く良い感じのところだけ拾ったりスルーなど都合の良いように扱って頂ければ幸い・・・。
■お借りしました↓
リュウカさん【illust/73029369】
テノンさん【illust/72940645】
トーグさん【illust/73200803】
と、いのち【illust/72940905】
グリューウルムさん【illust/72954134】
アルフォンソさん【illust/72938023】
モンスター
マシロ【illust/73159877】
キャプションにてお名前と展開をお借りしました
グウェニュインさん【illust/73282460】と毒ゴーレムのくだり【illust/73411354】(ちょっとくらいならその辺に破片落ちてたりしないかなと)
関連作品
波を切り裂け【illust/73417907】
白銀の戦い【illust/73425471】
銀色の波に追われて【illust/73438591】
本日の天候は【illust/73411354】
■ネズミ剣士アルバート【illust/72938275】
■作品内の展開はキャラの行動などを制限するものではありません。不都合などありましたらパラレル&スルーでお願いいたします。その他問題がありましたら連絡を下さい。
2019-03-02 13:36:37 +0000