晴暦3099年4月。
ある夜、手にした「何かの欠片」。
あれから何日経ったかな?
いつもの天体観測を終え、
日の出の重なりに<あるもの>が薄っすらと見えた。
あれって、なんだろう?初めて見た。
真っ白な大きな風船のように見えたけど、すぐに消えてしまった。
あとで誰に聞いても「知らない、わからない、という夢だった?」とかそんな答えばっかり。
本殿の婆ちゃんは思い当たる節はあるようだけど、
「うーん、なんだったけねー・・・」と目を瞑って考え込んでしまった。
・・・。
その数日後、本家に出向してきた<海花の花見のサンゴ>おばさんが、それとなく言った。
「あーあれだ、あれあれ。あれ?」
・・・、そっと耳打ちしてきた。
(リンゴ姉さんか、龍話師・・・サクラさんを探しな。)
(スターゲイザーの欠片を持つ父さんや母さんの居場所がわかれば、まだ・・・。)
???
(龍話師・・・。)
(龍の本音を伝える者・・・。)
(もしかしたら、シーバウスの婆ちゃんなら知ってる・・・?)
・・・。
太楽の星見夜のスタン・スターンは、シーバウス連邦へ向かう準備を始めた。
<樹海雲の竜宮楼>まで辿り着いた<フラン・シー・ド>婆ちゃんなら何かを。
2019-02-28 12:39:24 +0000