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◆おっとりしてる村のお姉さん。いつも笑顔で優しい香りがする。
ふわふわの綿とコハク草で香りのよいリボンを作っている。よく燃える。
◆幸せいっぱいの新妻。戦争で慌ただしくなる前にとプロポーズされた。
村の人達に祝福されながら数ヶ月前に式をあげたばかり。
白い壁で赤い屋根の可愛いくて真新しいお家に住んでいる。
(旧姓名:コットン・フラッシュ/Cotton・Flash)(夫はルフ・ハート)
◆ブレスレットの石は彼と対の【導輝:illust/73376509】(対が近くにくると反応する宝石)
「彼はアンダーリアへ行ったの」
「落ち着いたら飛んででも帰るから、石が呼んだら迎えに出てきてほしいって言ってたわ」
「今はきっとホースヒルにいるのね。ここで勝てばきっと帰ってこれるはずよ!」
コットンはそう言って、はにかみながら導輝を見せてくれた。
―――彼女はまだ知らない。彼がアンダーリアの乱で戦死した報せを。
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◆燃えました→【illust/73477267】
真新しいお家が燃えていく様をへたり込んで見上げていると、導輝が揺れ、近くに対の石がきたぞと教えます。
「たすけて!」弾かれたように導輝の呼ぶ方へ向かい、焼けた村を走り抜け飛び出します。
見つけたのは同国の兵士でした。彼の姿はありません。
コットンは兵士に彼を知らないか尋ねます。
兵士はホッとしたように、布に包まれた何かを差し出しました。
「はやくあなたのところに帰りたいと、この方がしきりに言っていたので…」
火事で鼻が馬鹿になっていたので、何かから発される腐臭にコットンは気付きません。
それは妙に重くて、受け取ってバランスを崩した拍子に布がゆるんでしまいます。
覗いたのは、導輝を付けた彼の腕でした。
急いで帰ってきてくれたから、不安な時間を過ごさなくて済むね。良かったね。
その後、彼女を村で見たものはいません。
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村の分岐に左右される予定でしたが、2章焼きが確定したので幸せの絶頂からの急転直下になりました。
3章で魔物化予定。
戦火の悲しみ苦しみから魔物が生まれるのも、この世界ならありふれたことなんじゃないかな。
幸せ積み上げて地獄の養分にしような。
2019-02-24 15:31:07 +0000