突然の雨で駆け込んだ木陰の下で偶然行き合ったその男は、柔らかな灯の向こう、相方を探して旅をしていると語った。
ぱたぱたと葉を叩く音に紛れてその声は静かに響く。
髪の合間から伸びる耳輪は人にしては長く、森に住む御方かいと尋ねると、小さな苦笑いが返ってきた。
翌朝きれいに晴れた空に笑みを交し、一足お先にと荷を背負うと、火の跡へ砂を掛ける男がこちらを見て、西へは行かないとほうが良いと言う。
森が忠告している。そちらは避けた方が良い。
成程と頷き重ねて礼を言い、分かれ、暫くして振り返ると、その姿は既にどこにも見えなかった。
◆剣士ラドレア
故郷を追われたエルフ【月の守り人】一族の戦士。物静かなようだが気さく。よく笑う。
森を失った際に民の誘導に奔走し、その時にはぐれた相方の【歌い手】を探して放浪している。
一族には珍しい濃い色の髪を持つ。月に透かした際に銀に輝くその色を、本人は気に入っているようだ。
勇猛果敢と知られる一族に漏れず腕は確か。己から仕掛けることは滅多にないが、戦うことは嫌いではない。
得物は剣と体術(脚癖が悪い)
◆世界設定をお借りしました
一族の長、朔風のヴィエトル様【illust/73036503】
故郷を追われた経緯【我ら故郷を追われnovel/10713476】
◆pixivファンタジア Last Saga【illust/72934234】
2019-02-11 05:51:29 +0000