「pixivファンタジア Last Saga」【illust/72286886】
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古来より、人と犬は共生の関係にあった。
時には戦友として、時には従者として、時には家族として。
犬に人が寄り添い、人が犬を従える時代の中で、犬ぞりという文化が生まれたのは、必然であったのかもしれない。
人に比べて寒さに強く、身体能力的に勝る犬が、人の文明を支える。
共生関係ここに極まる、最高峰の文化と思われた。
ところがある時、犬ぞりを引く犬は思った。
共生関係とはいえ、何故私がそりを引く側なのだ?
そりさえ引ければ、犬と人の立ち位置にこだわることはないのではないか?
それとも、そりを引くという行為そのものに、何か意義があるのであろうか?
はたまた逆説的に、そりに乗って引かれるという行為にこそ、共生関係の真髄が……?
ーそれから、悠久の時を経て。
考えた犬ぞりの犬は、やがてその血その意志を子孫へと引き継がせる。
彼の子孫達は、犬ぞりにおいて特異な能力を持った犬の変種として、その数を増やしていった。
すなわち、犬ぞりに乗りながら犬ぞりを引く犬である。
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ノーザリア地方に広く分布する犬。
しかし、その多くは自前のそりに乗っており、人を見るやえも言わぬ視線で訴えかけてくる。
訴えられるままそりを引くとあら不思議。
どんなに非力な人間でも、百万馬力のそり犬にも劣らない力がみなぎり、早馬にも劣らない速度で雪原を駆け抜ける事ができるのだ。
これは、そり犬特有の魔力によるもの。胸に埋まった魔石を媒介に、そり全体に魔法的意義を付与することで発現する、凍土の奇跡。
人への疲れのフィードバッグ具合は、通常の犬ぞりに乗った時と同じ。一方で魔力制御を行っている犬の方がむしろ疲れるらしい。
更には約束された高貴な血統、5種混合ワクチンも接種済み。
さあ、犬と人との素晴らしき共生関係の果てに生まれた力を手に、ラスト大陸を駆け巡れ!
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雪国仕様の乗り物ですが、理論上は水陸両用全地形対応しております!
ノーザリア民以外の方も、どうぞお好きにお使い下さい!
もし問題等ございましたら、ご一報くださいますと幸いです。
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2019-02-02 06:57:55 +0000