昔話  Seeking a rice cake

いちおか

オラぁ唯、餅が食いたかっただ。
オラぁ唯、腹が減っていただけだったべ。
オラぁ唯、新潟の餅が恋しかっただけだ。

オラぁ唯、餅が恋しかっただけだべ。

なのに、
なしてオラが臼にならなきゃなんねぇんだ?
なしてオラが餅つかれなきゃなんねぇんだ?
なしてオラがしんどい思いせにゃなんねぇんだ?

オラぁ唯、新潟の餅さ食いたかっただけだっぺ。

以前にタロウと親父さ二人に邪魔されて、
新潟にも行けんかった挙句に、
夕子の姐さんとタロウに餅つき用の臼にされて、
数日もの間、頭痛に悩まされて、
とうとう食えなかった新潟の餅。

それが、やっと、やっと、
夢にまで見た新潟の餅が食えると思って
地球さやって来たのに。
なしてまた臼にされなきゃなんねぇんだっぺ?

しかも、餅ついてる女子は豪い力持ちだっぺ。
あんな可愛い顔さして、人の頭さドンスカドンスカ殴って、
おっかねったらありゃしないど。

途中で腹ごしらえで餅さ食っただけだっちゅうに、
なしてこんなしんどい仕打ちを受けなきゃなんねぇんだっぺ?
新潟さもうすぐだっちゅうに、
こげな仕打ちはあんまりだっぺ。

「うっせー!散々生き辺りで餅を食いまくっておいて、何被害者面してんだよ。
 皆から散々奪い取った分、しっかり付き合ってもらうぞ!」

あ、はい・・・。

こうして、散々餅を食い荒らしたモチロンは、
赤い帽子の女の子に散々懲らしめられて、
暫くは治らない頭痛を抱えたまま、月に帰ったんだとさ。

どっとはらい。

#traditional#vita#モチロン

2019-01-03 04:03:02 +0000