10/7 俺のターン5 西4ホールR18bにスペースをいただいております。
KPアストラルで遊馬とシャークがクトゥルフ神話TRPGを遊ぶ本第二弾!
前回同様、リプレイ風のSSと作中で使用したシナリオを収録してした本が出ます。
¥300の予定です。
※表紙で誤字るという大ぽんこつカーニバルやらかしてたので上げ直しました……。
当日はシールでも貼って隠します!
主犯は相方ですが私も確認しませんでしたので共犯ですね!
既刊も10冊ほど残っておりますので。是非に。
今回は二人が学園の七不思議の一つ“観察池に現れるモリンフェン”の謎を追います!
遊馬が女性PCをロールプレイしますので、苦手な方はご注意ください。
それでは当日はどうぞよろしくお願いします!
※以下導入
夏休み。神代凌牙は空調の効いたリビングでカードの整理をしていた。
BGM代わりにつけていたテレビからは、台風情報を伝えるニュースが流れてくる。
外は晴れておりそんな雰囲気は微塵も感じさせない青空が広がっていたが、どうやらかなり大型のものが直撃するらしい。
「あら大変、雨が降り始める前に買い物に行かなくっちゃ。凌牙も荷物持ち、お願いね」
妹の璃緒が手にした雑誌から目を離し呟く。断る理由もない。何より断ったら後が怖い。
ノータイムで頷き、出かける準備をしようと立ち上がった。
ふいに一本の電話が掛かってくる。Dゲイザーの画面に表示された名前は“九十九遊馬”。
顔をしかめる。彼から電話が掛かってきて面倒ごとに巻き込まれなかった試しがないからだ。
せめてもの抵抗に少しの間放置してみるが、コールは鳴り止まない。
『出てあげなさいよ素直じゃないんだから』とでも言いたげに妹がこちらに視線を向ける。
『相変わらずしつけー野郎だ』と内心舌打ちをしながら、観念してDゲイザーを手に取った途端、訪れる静寂。
通話が切れた。ついでに頭の血管も何本か。
「イラッとくるぜ……!」
妹の前だったが、つい悪態が口をついて出る。『だからさっさと出ればよかったのに』と、璃緒は苦笑を浮かべていた。
しかし面倒事に巻き込まれずに済んだと考えれば幾分か溜飲も下がるもの。気を取り直して後ろで髪をまとめていたゴムをほどき、バイクの鍵と一緒にポケットに突っ込む。
が、
──ぴろりん!
初期設定のままの通知音。Dゲイザーが何者かからのメッセージ受信を告げていた。
──ぴろりん!
立て続けに鳴る汎用音源に青筋を立てながら、乱暴にDゲイザーを掴む。差出人、九十九遊馬。
『おーい!』
『シャークいねぇの?』
おーいじゃねぇ。メッセで呼びかけてどうするテメェのDゲイザーは俺の家の窓にでも繋がってんのか。
いねぇの? って何だ。いねぇから電話に出なかったんだわかんだろ。その質問に意味あんのか。ねぇだろ。
実際には半分居留守を決め込んていたわけで遊馬の呼び掛けには意義がなくもないのだが、そんな理屈は彼の煮え滾った感情に触れ湯気となって消えた。
即リダイアルをする。間もなくぷつりという音と共に能天気な声が聞こえてくる。
『なんだシャークいるじゃんk』
『テメェは俺をおちょくってんのか────!!!!』
快晴の空に海底火山から噴き出たマグマが舞い上がる。
およそ雨など降りそうにはなかった。しかし嵐は来ていた。長い夜が始まる。長い長い、嵐の夜が。
2018-10-04 12:40:47 +0000