【ハナムケ】ノアート【3期】

ひがや
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男は亡国から溢れ、侵略を始めた魔物の知らせを知り、愕然とする。
かの国が滅んだ時、こんなことは避けるべきだと、だからこそ予言を紡ごうと決めていたのに。
そして、星空色の鳥があざ笑うように鳴いた。

「顔色が悪いなァ?ああ、いつぞやの国のことでも思い出してんのかい?
 無力だって?アアそりゃあお前…そうなるように仕向けられてんだから当然だろ。
 何だ?気づかなかったか?記録者よ。
 悪魔<オレ>と競っておいて、最後に勝ちを譲るなんて真似しやがるから。
 お優しい奴から一番の武器を取り上げたらどうなるのか見たかったんだよ。
 ああ、お前じゃねえな、かつてのあの男だ。可哀想なこって人間よ」


*朽ちゆく世界にハナムケを【illust/67637283
新規家系で失礼します!

星の記録者ノアート(28歳/182cm/男性)
所属国:エステロント
所有ポイント:30pt
一人称:僕 二人称:君、あなた

かつて論争好きの悪魔に討論で負け、その言葉を取り上げられる代わりに
あらゆるものの声を聴くことが可能になった男の末裔。
その中でも特に星々の声に予言めいたものを感じ、苦肉の策でオルゴールの譜面として
記録することを発案し、以降代々最も星の声を聞き取れる者がそのあとを継ぐことになった。

記録者に選ばれたものは先代から頭上の星を譲り受けると同時に名と言葉を失う。
頭上の星は記録者の証であり、先代の記録者より譲られる冠のようなもの。
他人と強い縁を結ぶことで、徐々に星の声が聞こえなくなり、
唯一と決めた相手に名を与えられることで星は光を失い、ただの人に戻る。

当代の星の記録者は、穏やかな性格でめったに表情を
動かさないが、他人に対してあまり不満も抱かない。
記録者となったことも納得しており、使命感のようなものも抱いている。
星々の声を聴くことも嫌いではないが、最近不穏な言葉ばかりで少し気が滅入っている。
「カミオ」と言う名の星空鶫が代弁者となっている。

*素敵なご縁いただきました(10/23)
葵さんillust/70849765

それは、誰から聞かされた話だったろうか。
巷では溢れ出した魔物を退治する旅団が創設されたとか、疫病が蔓延し始めて大規模な治療行為が各地で行われているとか、そういった話だ。
いつものように、空の星々が囁く言葉を拾い集めてオルゴールシートに点を、穴を落としていく。
手慰みにオルゴールを回せば、なんとも寂しい音がした。

―――――忘却、魔物、進行、滅び

年が進むごとに、予言は単語を連ねるばかりで具体的な意味を示さなくなっていく。
何がか起きてから、これのことだったのかと実感する。
そういう落胆と悔悟…そう“見落とした”ことへの悔悟で気落ちするのだ。
だから、世界が動き始めている気配を感じて、どうしてもここに留まってただ空ばかり見ているのが正しいとは思えなくなっていた。

「どこに行くんだァ?」

相棒とも言える空色の鳥は間延びした声ですかさず肩に止まる。

「外に行く気か?お前、自分がここ以外じゃなにもできねえのわかってないのか?
 わかってる?はァ…まァいいか…俺もここはいい加減飽きたしな」

…そうして、「星の記録者」と呼ばれた男は一族の管理する施設から姿を消したのだ。

己の無力さは、できないことを目の前にして嫌という程実感する。
町の救護所では人がせわしなく動き回っていたが、何を手伝おうにも言葉は出なかったし、ことこのことに関してはカミオも手を貸す気がないらしく、仕方なくぼんやりとその景色を眺める程度のことしかできなかった。
街は人の行き交う声や遊ぶ子供の声で溢れかえっていて、ただただ静かだった施設とは比べ物にならないほどだったが、不思議とそれをうるさく思うことはなかった。
その中で、耳に馴染むような、でもよく知ったそれよりずっと輝くような音色が聞こえたのだ。
見れば、その音楽の中に佇む一人の女性…少女と読んでも差し支えないだろうか、そんな印象の残る人だった。
大きな傘に、あまり見ない服装だなと見ていると、ふと目があったと思うと、こちらに向かって歩いてきた。

どうやら、彼女は僕が手慰みに、と持ってきたオルゴールに興味を持ったらしい。
箱を観察して、シートをまじまじと見つめて質問してくるが、あいにくと応える言葉を文字通り持ち合わせていない。
どうしたものか考えあぐねていると、近くの木陰で素知らぬ顔をしていたカミオが方に降りてきた。
「よう嬢ちゃん、残念だがコイツァ話ができねえんだ。
 俺か?こいつの口代りだ…それに興味があるのか?開けて仕組みを見ても構わねえってよ。
 その代りあんたのも見たいようだぜ」
器用にオルゴールを示してクイッと首を曲げる鳥というのもなかなかいないだろう。
それでも、助かったと思わずにはいれない。
僕は、人の世に交わるにはあまりに不便な体質だから。

詳細:novel/10313471

*スキル
星識し(ほしじるし)…星々の声を聞き、オルゴールシートに書き表す。明日の天気から誰かの寿命まで。
切言(せつげん)…言葉を尽くし相手を説得する。悪魔に引けを取らない論争術。

*星の記録者の一族
星の記録者同様、動物や草木、川のせせらぎなど様々なものの声を聴くことができる。
記録者でなければ人の言葉で他者に伝えることも出来、それを生業としているものもいる。
聴こえるタイミングが不安定だったり、聞き取る相手でも得意不得意があったりと不完全なものが多い。
特徴は首の後ろから生える翼と角。

*申請について
異性中性、所属国など問わずに、素敵な関係を築けるお相手様と巡り合えたら嬉しいです。
お返事はできるだけ早めを心がけますが、お時間を頂く場合もあるかと思います。
48時間経っても反応がない場合はお手数ですが、メッセージの再送をお願いします。
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2018-09-21 14:03:57 +0000