眠れぬ君に、よい夢を:[illust/70029555]
-市原佳奈子(いちはら・かなこ)
「一緒に、寝るんじゃ…(ないんですか…、あぁ…。)」
♥ Pair 四辻邦彦くん【illust/70775818】
BAKUとして初めて来た通知。
そこにかかれている名前はどう読んでも男性の名であった。
***
「は、じめまして…。えっと、私のベッドですか…?」
寝ている空間を共有するというのだから、つい同じベッドでと
想像していたのは私だけだったようで四辻くんはぐっすりと眠ってしまった。
本当に悪夢を見続けているのか、なんて初めて出会って見た顔から明らかで。
「…私に出来る事って、あるのかな」
つい漏らしてしまった言葉はきっと聞こえてないだろう。
それでいい。
…これから先、不安を抱えるのは私だけでいいのだ。
「(せめて四辻くん…、邦彦くんのためだけに、今の私は)」
***
何をするにも鈍臭い。
それはよく友人から言われる言葉。
出会って一日、
自宅から荷物を取りに歩くこの道で少し前を歩く邦彦くんも
私の事をそう思っているだろうか。
お風呂上りの邦彦をドライヤーを構えて待っていれば、
邦彦くんはむっとしながらも私の行動に付き合ってくれる。
悪夢を一時的に、それだけの関係。
悪夢がまだそこに潜んでいるからきっと邦彦くんは今日も私の名前を呼んでくれる。
「佳奈子」
頼ってくれて、時に会いたいと真っすぐに伝えてくれる。
5歳下の男の子。
もちろん、可愛いと思うところがあれば男の子らしいと思う部分もある。
きっとこれは母性というもので、恋情だなんてそんな事はないはずなのに。
***
「男、って、…わかってますよ(…そんなの、こんなに苦しい程分かってる。)」
そしてその日からちょっとした頃、邦彦くんからメッセージが来なくなった。
***
「(もう用済み、っていう事なのかな。)」
…それなら症候群が落ち着いたという事で、喜ばしい事なのだ。
本当は。
でもその状況に喜べるほど私は大人でも一人のBAKUでも何でもなかった。
「邦彦くん、…会いたいな。」
邦彦くんに必要とされていたかったとただ一人、
自分の想いに鈍感すぎた女でしかなかった。
***
「アンタを殺したんだよ、夢の中で。…殺したんだ…、俺が…!!
……なのに"会いたい"なんて、馬鹿みてぇだろ……佳奈子が触れてるだけで、痛いのも、怖いのも、感じなくなるんだ。…夢だけじゃない、夢だけじゃないんだよ」
やっぱり邦彦くんは素直で。
どれだけ目つきが悪くても、どれだけむっとした表情でいても、
最後には ちゃんと言葉にして弱さをさらけ出してくれる つよい、男の子。
…でも、ごめんなさい。
私は弱いままだから、言葉にしない事を今は許して。
「いいの、( 大丈夫 )」
手を重ねて、
「邦彦くん」
目を合わせて、
「…私はここにいるから、ね?…邦彦くん、こわくないよ。」
「このまま手繋いで寝たい、って言うのは、我儘すぎますかね。」
私は君の笑顔が見たい。
そして、その笑顔が将来の私に向けられているのだとしたら…―――
***
「十分大事にして貰っている気でいました、ふふ。」
「可愛い、邦彦くん。」
今だったら同じベッドで寝ても怒られない、かな。
―――大好き、です。
―――朝起きた時、一番に伝えよう。
***
-申請ペア=のちの恋愛関係(HL>GL)を考えていましたが、
他に望む関係性等御座いましたら、お話し出来ればと思います。
即日~3日以内に返信させて頂きます*
万が一、返事が来なかった場合は撤回のメッセージ または
同様の内容を再度送って頂けますと幸いです…!
-交流pixiv上のみの交流はした事がありません。
外部は取得済みなのでお好きな方を選んでいただけたらと思います(´`*)
またゆっくりまったりペースなので"頻繁に"作品のお返しは出来ません。
よろしくお願い致します。
2018-09-15 15:32:19 +0000