フランス軍が降伏し、ドイツ軍が大量に鹵獲した歩兵戦車B1bis。
しかし、その多くが無線機も搭載されておらず、搭乗員構成もドイツ戦車と異なるため、後方でのレジスタンス対応などに使われたのが精々であった。
だが、その中でも少数はりゅう弾砲や対戦車砲で自走砲化されており、このマルダーⅣもその一つである。
ただ、りゅう弾砲を搭載した間接射撃メインのものと違い、8.8センチの対戦車砲を搭載した直接照準のマルダーⅣは、薄い装甲と非常に大きい車体が欠点で戦時中はまったく使われることすらなく役目を終えていた。
しかし、件の戦争より数年後、海底より現れ海を支配した深海棲艦が、その世界大戦の傷も癒えぬ欧州の大陸へと上陸を試みようとする動きがあった。
これに対して、旧枢軸国を含んだ連合軍は既存車両で対応するも、すでにその多くが消耗しきっており、ついに倉庫にしまってあったマルダーⅣまでも複数投入されることとなる。
それでも搭載していた火砲は、ナースホルンなどに搭載され実績のある長砲身8.8センチであり、予想以上の戦果を納めることに成功。
それでも欧州では大戦時の強力な戦車の再生産を再開したため、せっかく日の目を見たマルダーⅣは再びいらない子になってしまった。
だが、その後、極東からの艦隊支援により、深海棲艦の海上封鎖を受けていたイギリス本国が解放。
欧州側は代わりに極東への陸上戦力支援を決定し、新型戦車の再生産にともって発生した余分な旧式戦車―――いわゆる「いらない子」の無償支援を開始した。
これにより、倉庫で眠っていたマルダーⅣは再び極東で日の光を浴びることとなったのだった・・・。
という設定。
個人的に欠陥兵器は大好きなのですが、それで活躍する系の話はさらに好きですね。
マルダーⅣも架空戦車ですが、極東に配備されてどう活躍できるのか考えると楽しいです。
2018-07-27 01:07:54 +0000