#72 冬夜に...

みらくる☆
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牧野「そんな事が...」
俺は長尾さんが来たこと、そこでの経緯を語った
先生はずっと前に彼にしたことを、すまなく思っているようだった

ただ、この手紙は相当嬉しかったらしく
封筒にしまった後も、しばらく大事に握っていた

牧野「もう、こんな時間?」
はっとしたように先生が言った 時計はもう23時近い
俺は別にいつまでいてくれても問題はないのだけど

牧野「ゴメン。洗い物をさせてもらってから帰るわ」
俺「それは俺がやりますから」
牧野「駄目よ 後片付けまでしないと
きゃっ」

先生が立ち上がった途端、前のめりに倒れそうになる俺は正面から支えた

俺「だ、大丈夫です?」
牧野「色々あって、力抜けちゃったみたい ははは」

お互いに支えあう形になる
思いっきり近くにある彼女の顔に俺の心臓は高鳴った
先生も頬を染めながら、俺の目を目をまっすぐ見ている

牧野「お天気屋。なのかもね」
俺「?」
牧野「さっきまで自分は教師に向いてない、やめようって思ってたのに
今はもう、明日も頑張ろうって思う自分がいるのよ」

俺「嬉しいです
先生がこの仕事を続けてくれてなきゃ。今こうして、会えることもなかったですから」

その言葉に、先生は頬をより赤く染めた

牧野「...だから もし教師で無くなったら まずは
...まずは 真っ先に言わなきゃって
春先に告白されたし、年上でも問題ないのかもって
だから、私は」

俺「先生...」
声に合わせて俺の肩をつかむ手にほんの少し力が篭った気がした

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あと一月弱で終わると思います
どうぞ最後までお付き合いいただけたら幸いです

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2018-06-19 18:04:00 +0000