「やべぇ...。」
サジータが曲がり角を曲がった先、そこで魔獣、ガムカと目があった。数メートルはあろう巨大な体、強固な爪、そして三つに裂けた気味の悪い口、どれも人が易々と太刀打ちできるものではない。さっさと逃げてしまおうか、いや、完全に目があってしまっている。下手に目線をはずせば間違いなく襲ってくるであろう。もうダメか。そう思ったとき、視界の端を金髪の男が走っていこうとしていた。この好機を逃すわけにはいかない。
「ちょっと、そこのアナタ!助けてくれ!」
助けを呼んだ青年はこちらを向くと事情をすぐに悟ったようで手に持っていた武器を構え、そして一撃を打ち込んだ。遺跡に騒音が響く。重い一撃であった。が、このガムカという魔獣、打撃に強いようで思ったよりも効いていない。青年も感じていたようで「効いてないな」と呟いた。この青年の武器ではガムカは倒せない、なら青年をおいて逃げてしまおうか、そう考えた瞬間、
「くくく...。」
青年は笑った。少し癖のある低い声で笑った。
「そうか、ただ打ち込むだけでは勝てんか、いやはや世界は広いな。まさか単なる畜生にこれをうつとは!
」
そういって、青年は跳んだ。ガムカの口に飛び込むように。ガムカは飛び込んでいく青年をそのまま喰らおうとその裂けた口をひらいた。
「喰らえるなら喰らって見せろ!貴様の命と俺の命、どちらが必要なのかはスヴァ様のみぞ知る!神威!!」
その叫びとともに青年は片手で金棒をガムカに打ち付けた。激しい衝撃が響く。瞬間、サジータの目の前に突如砂嵐が襲った。しめっけを含む鉄臭い砂嵐。 それを払って目の前をみるとガムカはいなくなっていた。そこには血の池とその真ん中にたつ血まみれの青年だけがいた。
【illust/68825245】にエンカさせていただきました。サジータさんの心情目線で描いていますが、言葉遣いや考え方などが間違っていたらすみません。
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お借りしました
サジータさん【illust/67899364】
うちのこ【illust/67900380】
2018-05-21 18:30:03 +0000