【ハナムケ】XAI【1期】

めろん
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朽ちゆく世界にハナムケを【illust/67637283

ザイ
 男 / 26歳 / 176cm
 レフコニア / 30pt

 「私を養って頂けるなら何でもいたしましょう。もちろん、法の範囲内で、でございますが」

 妖精・バトラードの青年。
 遥か昔に種が受けた呪いの影響で、自分ひとりでの生活ができず、執事として他社に寄生することでなんとか生きている。
 主人を求めて彷徨い、行き倒れ、拾ってもらっては捨てられ・・・を繰り返しているヒモ男。
 飄々としているが実は寂しがり屋で傷つきやすく、「ヒモ」「クズ」と罵られ捨てられることが何よりの恐怖だったりする。
 しかし毎回捨てられるので内面はボロボロだったりもする。
 それでも一切態度には出さず、今日も自分の思う良き執事としての言動を続け、次の主人を探し歩いている。

 「…腹が減って倒れていたらパンが置かれていた。
  どうせなら主人になってくれればいいのに。あーあ、全く。面倒な呪いだよ。先祖のばかやろー」


*5/30 素敵なご縁をいただきました!
 紫桜さん【illust/68550559
 人生で何度目か……数えるのはとっくにやめていたが、とにかく何処ともわからない場所で行き倒れていた。
 今度こそ、このまま死ぬんだと思った。面倒な呪いに抗うのも疲れてきたし、もうそれでもいいかと目を閉じていた。
 死にたくないから、アホらしいと思いながらも仕事を覚えた。クズと罵られても他人にすがりついて生きてきた。
 けど、もう疲れたんだ。誰が好き好んで嫌われるものか。俺はそんなに強くない。もう、疲れたんだよ。

 そんなことを考えながら不貞腐れて眠ろうとしたとき、人の気配を感じ目を開けると、育ちの良さそうな女の子が立ってたんだ。

 「……何か?見ての通り執事ですが、行き倒れておりまして。
  生憎と見世物のつもりはありませんので、雇って頂けないなら放っておいてくださいませんか」
 「は?……あ、いや、今何と?聞き間違いでなければ、私を雇う、とおっしゃいましたか?
  ……わかりました、お仕えします。私の名はザイ。お世話になります、お嬢様」
 (どうせこのお嬢様も最終的にはクズだヒモだと罵って俺を捨てるんだ。……けど)

 けど、何故だか仕えてみてもいいかという気になった。
 もう一度、もしかしたら"俺"を否定しない主になってくれるんじゃないかと思って。

 「お嬢様、もしや箱入りでいらっしゃいますか。失礼ながら世間知らずが過ぎるかと。
  私はお嬢様の執事ですので、私がお傍にいる限りは最大限サポートいたしますが……」
 (危なっかしいというか、なんというか。目が離せないんだよな。ちゃんと見てないとそのうち大怪我でもしそうというか)

 「お嬢様のお力は何度見ても素晴らしいですね。美しく、人に喜ばれる力だ。羨ましい。……いえ、お忘れください」
 (染めた物体は確かに美しいが、力を使うときのお嬢様も美しいと……)

 (きっとこの子は幸せになる。なるべきだ。だけど。
  そのためには俺のような"男"は常に傍にいるのは良くないんだ。わかってる)
 (頭ではわかってるのに、離れることを良しと思えないのは――)
 「……嘘だろ。8も年下の、それも雇い主だぞ。何考えてんだよ。こんな、こんな感情持っちゃいけないんだ。
  気持ち悪いって言われて解雇されるのがオチだ。そうだよ、絶対に気づかれちゃいけない」

 「あ、んたは……何を言ってるんだ。こんな……好きな女にすら寄生しなきゃ生きられないような男に。
  俺は、お嬢様には幸せになって欲しいんだ。それができるのは、……王子様は、俺じゃないだろ」
 「お嬢様……。女にここまで言わせて手を取らないのも……。
  いやでも……いいのかな。甘えても、いいかな、紫桜様」

 「お嬢様、先程は取り乱して申し訳ございません。
  ええ、お慕いしております。……は、胡散臭い?素がよろしいと?……わかりました」
 「これから先、あなたが怖いと思うもの、あなたを傷つけるもの、その全てからあなたを守ると誓うよ。
  だから、捨てないでくれよ?……紫桜、愛してる」
 (こうなったら行くとこまで行こう。旦那様が怖いが……このお嬢様が笑っていられるなら、なんだってしよう。
  大げさなんかじゃなく、この子は俺の光なんだ)


スキル
 飛行:高いところのものでもお取りします。忘れ物をなさったらすぐにお届けします。
 ナノアイ:どんな埃も見逃しません。徹底排除です。
 執事スキル:なんでもご用命くださいませ。

バトラード
 少しだけ低位に位置する妖精種。毛先と羽は瞳の色に染まる。
 後述の呪いで執事として仕える代わりに衣食住全てを主人に依存する生活しかできない。

 その昔。当時の長がそれは短絡的な性格で、自分よりも遥かに高位の妖精に喧嘩を売り、ものの見事に大敗を期した。
 侮られたと憤った相手の妖精は、種全体に『これから先、何があろうとも自分の稼ぎで生活することができない』という呪いをかけた。
 具体的には稼いだ金品はその日のうちに何らかの要因で全て喪失し、手元に残らないという、とても困る呪いだった。
 金や物資を自分で稼ぐことができないと生きていくこともままならない。
 そこで、種以外の親しい者の手伝いをすることで養ってもらおうとしたのが、現在の執事業の始まりと言われている。

 長い年月で呪いが弱まったのか、現在では長子が確定的に受け継ぐ呪いとなっている。
 その他の子孫については受け継ぐ条件が定かではなく、長子以外であれば呪いを受け継がない者も少なくない。

婚姻について
 設定上、こちらの次世代は必ず長子になります。
 お相手様の次世代が必ずバトラードの呪いを受け継ぐ必要はございません。
 もちろん継いでいただいても大丈夫です。

 所属、性別問わず、素敵なご縁に巡り会えたら嬉しいです。
 ありがたくもメッセージを頂いた場合、2日以内にお返事いたします。


 不備等ございましたら、お手数ではありますがメッセージよりご一報をお願いいたします。

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2018-05-20 15:16:09 +0000