遅くなりましたが、こちらの素敵企画【illust/67011335】に続けて三世代目三人目の参加です。
「悪しきを挫き、弱きを助ける…それが我々真志喜の一族だ」
◇真志喜レーナ(ましき -) Lena(蕾那)
種族:半妖(デュラハン×人間+騶虞)
年齢:24歳
身長:168cm
一人称:僕、私
二人称:君、貴君、貴方様、~殿(砕けると~さん)
人の血を持つデュラハンの父と騶虞の母の間に生まれた半妖。
騶虞の母の影響で耳と尻尾が生えているが、父であるデュラハンの血を色濃く継いでおり、父と同じく昼と夜とで姿と色が変わる。
正義感の強い父と母の元生まれ育った為、レーナ自身も正義感が強い。「悪しきを挫き、弱きを助ける」その言葉が彼女の口癖となっている。女性ではあるが、真志喜の騎士道や正義に準じているせいか男性的な服装と言葉遣いをする。一人称が『僕』なのもそれが理由らしい。
本名はレーナではあるが、母や妹のマネをして蕾那(レイナ―)と書くこともある。
自身には厳しく手を抜かず、護るや助けると決めた相手には優しく、どこまでも手を差し伸べる。
デュラハンが人に怖がられることも知ってはいるが、いつか自分の一族は怖くないと知って欲しいがために奔走している節も見受けられる。いうなればイメージ払拭を心がけているらしい。
今現在は父の馬を借り、迷子になってしまった妹を探して外に出ている。
「……もし、どうかしたのか。お困りなら僕が手を貸そう」
「すまない、ここで黒髪の…僕と同じ種類の耳と尻尾を持ったほわほわした感じの少女を見なかったかい?妹を探しているんだ」
「僕は僕の正義を貫く。守りたいと思ったから、僕は君を助けるんだ。……理由なんて、ただそれだけだよ」
「いつか誰かの光になりたいなんて……いや、そんなの柄じゃないな」
◇素敵なご縁を頂きました(5/20)
貴方も僕にとっての光だった
秘色さん【illust/68640624】(秘色殿)
夜が更けそろそろ休むべきかとも思っていた頃、ふと音が聞こえた。それは大勢の歩く足音と牛の蹄のようなもの。
轟音のようなその音に、僕は瞬時に警戒態勢を取った。こんな時間の山奥に、何かがいる。
すぐさま飛び掛かれるように腰の剣に手を掛ける。
そしてそこ現れたのは――たった一人の青年だった。
呆気にとられ、暫しその青年と見つめ合う。
しん、と空気が静寂に包まれる中、それを破ったのは彼の方だった。その言葉は僕の首を心配する言葉で。
「あ…ああ、大丈夫だ」
挙動不審ながらもそう返した。
――とても月が綺麗な晩のことであった。
珍妙な出会い方をした僕らはそれから話をし、そして朝方に別れた。
それは忘れることのない、濃い夜だったと思う。
その後、彼と再会した。あの時はデュラハンの姿だったので、今度は僕から声を掛けた。
「もし、覚えているだろうか?僕はあの時のデュラハンなのだが…」
「ああ、あの時は姿が違っていたからな。気づかなくても仕方がない。お気になされるな、秘色殿」
彼と共に旅をすることになり、色々な側面を見た。秘色殿は良い御仁として映っていた。この方は悪人ではない、と。
お互いに友と認識しているつもりだった。だから、彼がいきなり「別れよう」と言った時は何故そんなことを言い出したのか分からなかった。
「え、しかし…同じところへだったのでは?…秘色殿!お待ちください!!秘色殿!!!」
それから、秘色殿は自分の前に現れなくなった。
どうしてだろう、そう考えを巡らせながら旅を続けている中、秘色殿を見つけた。彼は僕を見るなり踵を返す。
それを見た瞬間、これは何かある…そう確信に至った。
僕は逃げる秘色殿を追いかけ、彼の手を捕まえ問い掛ける。
「どうして、僕を避けるのだ?……いったい貴君に何があった。もし、秘色殿が脅されているのであれば、僕がその脅した相手を懲らしめてやろう」
彼から返ってきた答えは僕にとって間違っているもので。
ただ、彼は彼なりに僕の『騎士道』に対してずっと悩んでいたのだろう。
「何を言っているのだ?僕は一度もそんなことは思った事は無い。貴方様は僕の友だ。少なくとも僕はそう思っているし、僕にとって秘色殿は守るべき対象でもあるんだぞ?」
「人だけが守るべき存在ではない。我らの騎士道は『種族関係なく己が信念の元、弱きものを護る』だ。誰が貴君を「悪」とみなす。そんなことを言う輩は僕が叩き切ってやる」
和解した後、僕らはまた共に旅に出た。
後程妹を見つけたのだが、彼女は幸せを見つけていた。だから僕はそっとその場を後にした。
秘色殿は山を無事に見つけることが出来、僕らの旅は幕を閉じた。
もう、こうやって秘色殿と旅をすることはなくなるのだろう。
彼とは無二の友人で、会えなくなるわけではない。
それなのに「離れがたい」そう思ってしまうのだ。
別れの言葉をと秘色殿を見た時、彼は真剣な表情を僕に向けてきていた。そして告げられた言葉に目を丸くする。
誰かの光になりたい、父のように誰かの光でありたい
そう願い続けていた。
それが今、彼の口から告げられているのだ。
それから続けられた言葉に一瞬意味が分からず、ポカンとする。
――今、僕は何を告げられた?
ひとつずつ紐解いていく。言葉の意味を。
その言葉が自分に対する告白だと気が付いた瞬間、一気に血が駆け巡る感覚に襲われた。
同時に、嬉しく思っている自分に気が付き……離れがたいそう思った感情を理解をする。
――ああ、僕は
「……こんな、僕でよければ。そうか、僕は君の光になれた、のか。そうだな…僕も、君の側にいたい。ああ…そう思ってるようだ」
「……秘色殿、僕は君と共に生きよう」
山で暮らすかそれはまだ分からない。
だけども、彼の側にいたい。彼と共に僕も生きたい。
今まで旅で共にしてきたように。
そう思う気持ちは本物だから。
◇関係者◇
父:真志喜ヘスペルス【illust/68340160】(父上)
「父上は母上の光なのですね。私もいつか…いえ、何でもありません」
母:瑞雲さん【illust/68389626】(母上)
「母上は昔からああも方向音痴だったのですか?……え、父上との出会いも迷子と思われたことから…だった、と」
妹:瑞星さん【illust/68764058】(瑞星)
「瑞星は僕の可愛い妹だ。……危ない時はちゃんというんだぞ?僕が瑞星を守るから」
2018-05-18 15:33:15 +0000