「はいはーい」
土曜の午後、自宅のチャイムが鳴る
姉ちゃんが洗い物を中断して玄関に走った
訪問販売か何かの勧誘だろうか
学校から帰ってきたばかりだったのもあって、少しくたびれていた
今はあまり動きたくなかったので助かるな
リビングのソファに寝転ぶと、だんだんと睡魔が...
まどろみながら玄関の会話がかすかに聞こえてくる
?「こちら立花さんで間違いないでしょうか?」
めぐみ「ええ」
?「牧野桃子さんの恋人がいらっしゃる。立花さんのお宅で間違いないでしょうか?」
!!
その声に、俺はソファから飛び起きた 慌てて玄関に向かう
この声、あの先生の知り合いの男だ
男は俺を見ると、顔を確認できたのかほっとした表情になっていく
そして周りに聞こえるように
「長尾と申します」
はっきりと言った
反面、姉ちゃんは驚いたままずっと固まっていた。
俺を後ろに確認すると。男を放置して俺に詰め寄った
めぐみ「あ、あんた先生と恋人同士って!そりゃ先生に冗談で弟は好きですかって聞いたら
言葉濁すしたまに夜公園で仲よさそうにしててるの見てていい雰囲気なんじゃないのとか
この間もノワ引き取った時明らかに意識してたように見えたし
思えば花火の気付けの時も他の方に見せたらとかいったら頬染めるから彼氏いるのとか
聞いたら無言でうつむいたりとかもしかしてあんたとかちょっとだけ疑問に...」
俺「落ち着いて、誤解だよ」
めぐみ「え、え~っ?」
小声でまくし立てた声が、大声に変わる
長尾と名乗る男に視線を向けた
俺「御用は私に対してでしょうか?」
長尾「はい、今日はあなたにお渡ししたいものがあって
どうかお時間をいただけませんでしょうか?少しでいいのです」
めぐみ「どうするの?」
俺「そうだね、えっと...」
2018-05-13 19:42:41 +0000