朽ちゆく世界にハナムケを【illust/67637283】
(6/16 メッセ受信済。ありがとうございます!)
❖サージェリカ・ピェルトーチカ/女/148cm/13歳(次世代上限-2)/私・あなた
所属国:レフコニア
所有ポイント:30pt (30<前期pt>+0<継続pt>+0<イベントpt>=30pt)
「逃げることも掟を守りきることも、今の私じゃ…。このまま死ぬのかしら」
ピェルトー民族の掟を守り、レフコニアの地で一人狩猟生活をする少女。
出立前に家族から「そのまま逃げてもよい」と伝えられたが、
生来の生真面目さと悲観的思考が決断を迷わせている。
<スキル>
雪獄の狙撃手…平常時なら1km先の小さな獲物も見逃さない。悪天候時も経験と勘である程度補正できる。
悲勘…悲観するほど勘が冴え、狙撃が当たりやすい。
【ピェルトー民族】
遺伝的に寒さに強い身体と高い視力を持つ人間達の狩猟民族。
狙撃銃の扱いに長け、狩猟も主に銃で行う。
掟で13歳の誕生日から2年間独力での狩猟生活を定めている。
また15歳の誕生日に大きな頭骨を持ち帰還した物を成人として認める風習があるが、
帰還者は2割に留まり天変地異後はさらに減少している。
❖素敵なご縁をいただきました!(5/15)
マリーゼルさん【illust/68711535】(レフコニア)
「まぁ……」
(女の子も亡くなって……いえ、違う? すごく綺麗で精密なお人形なんだわ。どこかへ運ぶ最中だったのかしら)
サージェリカは雪の積もった荷台から少女を降ろした。
(こんなに美しくて可愛らしいお人形が、世の中にはあるのね。必要ないと分かってても、目が離せない……)
壊さぬように頭や髪を撫でてみたが、うなじに異物を見つけて手を止める。
(ネジ……。巻いたら目を開けてくれるかしら)
そんなに都合のいい話はない。けれど、少女の目は何色だろう。
「…壊してしまったらごめんなさい」
不思議とサージェリカは、答えを知る予感がした。
◇
(お日様は、きっとこんな色だわ)
(それに天使のような声…)
「私はサージェリカ……メリルゴールがあなたのお名前?」
「マリーゼル…お名前も素敵なのね」
「お歌?子守唄なら歌えるかしら」
自分の声に自信はない。それでもマリーゼルの歌声は聴きたいとサージェリカは思った。
サージェリカはマリーゼルと一緒に、幼い頃親しんだ子守唄を歌った。
身体は寒くても、心に暖かな火が灯る。
(きょうだいや友達がいたら、きっとこんな風に楽しく歌うのね)
マリーゼルの小さな手を、サージェリカは大切そうに握りしめた。
「拠点にしているところがあるの。狭くてあまり綺麗でもないけれど…」
◇
「マリーゼルは綺麗で可愛いわ」
「私がきれい…?」
聞きなれない言葉を告げられ、サージェリカは顔に熱を感じた。しかし、赤みは程なく引いてしまう。
(マリーゼルは気を使っているんだわ。父さんと母さん以外に褒められたこともない。父さんと母さんも自分の娘だから可愛く見えるだけ…)
表情を曇らせる。するとマリーゼルの笑顔も濁ってしまった。
サージェリカは自分の鈍色が色移りする感覚を覚えた。
(私がしっかりしないと、マリーゼルがくすんでしまう)
それからサージェリカは少しずつ、自分を認めるようにした。
否定の言葉がよぎる度、自分の良いところを見つけた。見つからない日は狩りをして忘れたり、マリーゼルと共に歌を歌って眠った。
吹雪は止まない。
◇
サージェリカは300本目の線を板に刻んだ。
(掟通りなら一人で生活しなきゃいけないけれど…狩りは自分でしてるもの。マリーとはお話をしているだけ。だから大丈夫…もう少し…もっとお話をしたい。おウタを教えたい)
(でも掟を守って無事に集落へ帰れても……なんて説明したらいいの?)
(これじゃあマリーを連れていけないわ。説明をしても納得されないでしょうから)
(そしたら、マリーが一人ぼっちに)
◇
「この帽子の花は、母さんと父さんが一つずつつけてくれたのよ。私の宝物なの」
「そうね、マリーとおそろいね」
初めての友達。初めてのきょうだい。沢山の初めてを重ねていく度に、サージェリカに笑顔が増えていた。
「マリーのお花は……」
(どんなお花かしら?どこに咲いているの?)
そしてマリーゼルと会話を重ねていく度に、サージェリカに疑問が増えていた。
「私、本当に何も知らないことばかり。お日様も見たことがないの。いつも夢見るばかりで……」
「だからねマリー。お願いがあるの。私と一緒に夢を叶えてくれる?」
(不思議だわ。掟を破るのも外に出るのもあんなに怖かったのに。マリーと過ごしてから、羽が生えたみたいにどんどん心が軽くなっていく)
「私は、マリーが一番大切なんだわ」
◇
吹きすさぶ吹雪を越えて、二人は新しい世界を見つけた。
「まぁ、マリー見て!お日様よ!すごく明るくて、目が潰れてしまいそうなくらい…」
「それにすごく暑いわ、服も変えなければいけないわね」
二人は新生活の準備を始める。
◇
サージェリカが見たのは、髪の短くなった、少年のような装いをしたマリーゼルだった。
「マリー…?」
「……いいえ、小さな紳士さん。私の手を引いてくれる?」
二人の間で、新しい約束事が増えた。
「ありがとう、リゼル」
初めての恋人も、あなたと。
「マリーゼル、私、あなたと出会えてよかった。あなたと一緒なら何も怖くないの」
「あなたを愛しているから」
サージェリカはマリーゼルをひしと抱きしめた。
❁✾❁
やがてマリーゴールドの咲き誇る花畑で、
二人は寄り添い空を見上げた。
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素材をお借りしました【illust/47632547】
2018-05-09 10:09:54 +0000