今更ですが、こちらの企画【illust/67011335】に新規で参加させていただきます。
短い間ですがよろしくお願いします。
「………………」
「……寒いか?」
「……………………暗いなら照らしてやろう…」
■希一《キイチ》
種族 妖怪:鬼火
年齢 555歳
身長 176cm
一人称:己
二人称:貴方
■元は人間だった男が死んで姿を変えたもの。
元々無口だったようで、記憶もないしあまり多くは語らない。
ほぼ人前には出ず、山の中でそっとあたりを照らしている。
寒そうな人を見かけると手元に火を灯すが、あまり暖かくはない。
名前は人間だった時のものではなく、通りすがりの親切な人が名付けてくれた。
大体同じ場所にいるので、迷った時の一つの希望という意味らしい。
◆素敵なご縁がありました
清女さん【illust/68666675】
暗がりの山の中。
小さくも聞こえる咀嚼の音。
夜の山。生者も死者も命を食らう。
何時もならば見向きもしない日常の音。
だがその時は何となくもそちらに灯りを向けた。
照らし出したのは小さい背中。
震えているのは何故なのか。
こちらを振り返るその目が揺れているのは何故なのか。
「……寒いか?」
つぶやいて灯りを渡す。
何時だったか旅人に「ぬるい」と笑われた己の灯り。
その時はそれがこの小さき人には必要だと何故か思ったから。
日常から外れたそれは、だがしかしその時で終わるのだろうと思っていた。
なのにどうして彼女はここに来るのだろう。
そんな疑問も彼女との過ごす日々の中で霞むほどになった。
暫くすれば彼女が話す偽りも彼女が振舞う気の無いしぐさも可愛らしく思えるほどに。
そのうち気を許してくれたのだろうか、言葉に偽りも無くなり己のことを聞きたがるそぶりも見せた。
何となくそれが嬉しくてぼつりぼつりと昔話などをして見せた。
彼女は可愛らしい幼子のような瞳で聞いてくれ、それがまた愛おしい。
彼女の声がただ聞ければいいとそう思っていた。
だからこそ時折見せる苦しげな顔が辛かった。
どうにか救いたいと、衝動を抑えたいと願う。
新月の日には月明かりにも似た灯りを持たせた。
それが彼女の心に安らぎを与えればと。
初めはそれが上手くいっているかのように思えた。
だが、妖の性分は着実に彼女をむしばんでいた。
………
彼女が震えている。
初めて会った時よりもずっと。
衝動を抑え、自分に己に噛みついた時よりも。
彼女の手を取ると同時に、彼女の他の手が己を捕らえようと狙う。
彼女の声が、紡ぐ言葉が震えている。
何故己は彼女を救えなかったのか。
このような目をさせたくはなかったのに。
一つの希望を…
彼女はそう言った。
昔そう言った旅人がいた。
あの旅人も迷いに迷って己の場所に何度も戻ってきた。
だが、いつしか姿は見えなくなった
―己の灯りを目印にと言ったあの者は
―もしかしたら貴女と成りて戻ってきたのだろうか
―ならばもうこの地に印はいらぬだろう
―貴女が望むがまま、貴女だけの希望で在ろう
「…………では…」
―この灯りがたとえ貴女を救ったとて
―天に独りにするのは己が許せぬ
「共に。」
まずは己を。そして貴女を赤で包む。
己の炎が花となり、貴女の糸が風となり彼女の瞳がいつしか安堵に代わる。
彼女の糸が絡みつく。
どうか魂すらも結んでくれるのであれば…
「死してなお共に在ろう。」
彼女の意識があるうちに、その瞳から光が消えぬうちに
言葉足らずの己の思いがどうか伝わるように。
最後に見た貴女の顔はとても穏やかで。
それが永遠に続けばいいと心の底から願うだけ。
■婚姻種族、関係性は問いません。性格上無さそうですが殺伐婚も大丈夫です。
お返事には出来るだけ早く返しますが、2,3日頂く事もあるかと思います。
メッセ障害があるようですので、3日目に返信がなければ再度送っていただけると助かります。
有難くもメッセージを頂けるようでしたら、どういう関係性かどういう出会いなのかを送っていただけますとわかりやすくてとても助かります!
ツイッターは出没率が低いため、不備等何かありましたらピクシブメッセにてご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
2018-05-09 02:00:50 +0000