こちら【illust/67011335】の素敵な企画に新規家系で参加させていただきます。
主催様より承認頂きました。 5/8
「本当に“恐ろしい”のは我ら妖か? それとも、―― か?」
「幸せ…そうなるべきだったのだろうな」
甘い毒が肺腑の奥まで染み渡れば きっといい幻が見れただろう
向けられた微笑みに背を向けていれば きっといい夢が見れたのだろう
赤く燃える大地に 煤けた黒い花の影が ゆらり 揺れる
「雄とか雌とかそんなに気にするとこ? いいじゃない好きに生きて、飲んで、喰らって、こr……いつなんどきぽっくり死ぬかわからないんだから! はい、かんぱーい!」
「本性? やだやだもぉ、あの姿可愛くないしゴツイんだもの~!」
「アタシ、他人の秘密や隠そうとしているものを暴くの得意なの。…元盗賊だから、…なんて冗談よ、冗談」
「アタシやぁよ? 売られた喧嘩は買う主義だけど、ブ男のなっさけない泣き顔見るなんて萎えるわぁ。…あ、でもでもぉ、良い男の泣き顔は別♡」
「オラ、歯ぁ食い縛んな。誰か判別出来るくらいには原型を留めといてあげる。…アタシってホント、優しいわね?」
「悪い男に捕まっちゃ駄目よ。アンタはきっと…幸せにならなきゃいけない子だもの」
◆名前: 阿方(あがた)
◆年齢:秘密♡(1000歳越してから数えるのをやめた)外見20代後半
◆種族:怪物(窮奇)
◆身長:193㎝(+10㎝)本性は20mほど
◆一人称:アタシ
二人称:アンタ、親しい間柄には~ちゃんなど愛称で呼ぶことが多い
◆好きなもの:煙草、酒、新しいもの
◆嫌いなもの:雨、熱過ぎる食べ物(猫舌)
◆備考:novel/9647702
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◆素敵なご縁を頂きました🌸
◆ずっと、お前だけ:志岐夢乃さん【illust/68656762】 5/23追記
この国に訪れて年月がどれだけ経ったのかしら、そんなの詳しく覚えちゃいないわよ。
深いことなんか考えないで、真っ黒い燃えカスの様な過去とおさらばして、気ままに好きな場所で適当に生きて死にたい。
そう思っていたら、あら嫌だ、いつの間にかこんなに長居していたの。
平凡でぬるま湯の様な日々に酔って、だから忘れていたわけじゃないのに気づかなくなってしまったの。
気づいた時にはもう遅い。
アタシは、誰かと関わり過ぎていた。
「アンタ、警戒心なさ過ぎね? お姐さん不安になるわ」
いったいどういう経緯でそうなったのか、あの時は柄にもなく相当酔ってたし覚えてない。
少し皮肉を込めて言えば出会って間もない女の子はへらりと笑ったまま不思議そうに首を傾げ、また酔いに任せてペラペラと饒舌に喋り出す。
大人しそうな見た目に反して良く喋る、警戒心はどこへ行った、そんなことを考えているうちにどんどん夜は更け、気づけば白い朝焼けを見て2人で目を細めていたような気がする。
変な出会いだったわね、“初対面”から改めて“友人”としてお酒を飲み交わした時、おかしくて2人で笑い合った。
「あんなに熱烈(に喋った)な夜を忘れるなんて出来ないわ♡」
「んもー! 夢乃ったらまたそんな無茶して。ほら、こっちにいらっしゃい!」
「そういうことはね、姐さんに任せときなさい。で、どいつなのよ? アンタの周りをうろつく身の程知らずの大馬鹿野郎ってのは。…え? 違う?」
「いい? 夢乃。悪い男なんかに捕まっちゃ駄目よ」
「夢乃」
呼べば少しだけ気恥ずかしそうに笑うあの子は、眩し過ぎるくらい純粋な子。
からかうと顔を真っ赤にして大きな反応を見せてくれる楽しい子。
自分の事よりも他人を大切にする、優しさ故に少しだけ危うい子。
きっと、違う。絶対に幸せにならなきゃいけない子。
傍に居ることが当たり前だと錯覚していたの。
歩調を合わせて歩くことが、愛おしく思うようになっていたの。
居心地の良さを感じる度に、自分の仄暗い部分が浮き彫りになっていく感覚が強くなっていく。
随分と平和惚けしたものだ、忘れてなんかいない。
だって、アタシは、オレ、我は。
「これでわかっただろう。我が他者を害する存在だということを」
過去を悔いているわけではない、我とお前では住んでいる世界が違い過ぎる。
この世界が交わることはなく、無理に受け入れようとすればいつかお互い自滅していく。
だから不満が重なり、混じり合い、思わずぶつけてしまった感情に後悔しながら、遠ざけることが出来ると少しだけ安心したような気がしていた。
冷たく見降ろした視線の先で、驚いた大きな瞳が揺れている。
恐ろしいだろう、醜いだろう、過去は消せない。
だから我は、お前をこの醜い世界に引き摺り込んでしまう前に、そう思って突き放したのに。
「だから貴方に会えたのね」
「……変な子ね。そんなこと、言われたの…初めてだわ」
驚きで揺れていた大きな瞳は真っ直ぐに見上げていて、優しく細められている。
拍子抜けして言葉を失い、何とか絞り出した声は震えていただろうか。
その過去があるから、今の貴方が居る。
その過去があるから、貴方に会えた。
――過去があったから、夢乃に、会えたのか。
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「早く言ってくれなきゃアタシが先に言っちゃうわよ?」
また意地の悪いことを、そう自分で思いながら視線を合わせる様にかがんで笑う。
涙を溜めながら懸命に想いを口にする姿が可愛くて、我慢できずに小さな頭を胸に引き寄せる。
覚悟は決まっていたわ、あの時に。
こんなに可愛くて優しい子、どこにも置いて行かないわ。
「こっそり教えてあげる」
アンタだけに、耳に唇を寄せて静かに呟いた。
ねぇ、愛してる。
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「まったく夢乃ったら~。悪い男に捕まっちゃ駄目って言ったのに~♡」
「きゃっ きゃー! 夢乃ったら…もう…そんなこと言っちゃってズルいわ~!」
捕まったのは、アタシの方だったなぁんて。
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◆企画アカ:twitter/u_rara_00
2018-05-07 17:10:09 +0000