陽向ごっこ世代交代企画 朽ちゆく世界にハナムケを【illust/67637283】に参加させて頂きます。
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★ウル
☆男性/19歳/175cm
★所属国：レフコニア
☆所有ポイント：30pt
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☆スキル
【野生の勘】森での暮らしで培われたもの。特に悪いものに対して働きやすい
【森の主】小さな森を治める主。彼がヒトであっても動物たちは気にしない。また動物との会話が可能。
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5/18 素敵なご縁を頂きました。
レフコニア：トレプさん【illust/68717774】
いつもと変わらない日が、変わる日だったんだ。
いつものように、森の見回りをする。先日はひどい吹雪だったから動物たちに何かあってはいけない。
念入りに森の様子を伺っていると、そこには見慣れない影があった。群れからはぐれたのかそれとも迷い子か。とにかく確認をしようと近づく。････そして目にしたのはもはや数十年と見なかった"ヒト"の姿だった。
「ｯ････?!」
森の動物と一緒に長くこの森で暮らしてきたボクは、その姿に驚き慌てて逃げ出そうとした。迂闊にも足元の注意が散慢になっていて、足を捻り、その場に倒れ込んでしまったのだ。
そんな姿を見て、自分よりも小柄に見えたヒトは何か話しながら近づいてくる。しかし、ボクには何と言っているのか理解はできなかった。そのヒトはなにやら大きな箱ようなものから不思議なものを取り出していた。なにやら嗅ぎ慣れた匂いがしたから薬草の類のようだが、それもよくわからない。目の前の不思議な出来事の数々に呆けているうちに、捻った足をとったかと思えば何かを塗って、布のような物を巻いて固定していた。そして最後にそのヒトは「大事にな」と言って。去っていった。なぜその言葉が聞き取れたのかは、よくわからなかった。
そして数日後、またそのヒトはやって来た。なにやら足の様子を気にしているらしい。そういえば先日の礼をしていなかったと気づいたボクは、これもまた十数年ぶりになるであろうヒトの言葉を絞り出す。
「ｱ･････エト、マエ？ハ･････アリガトウ･･？」
久方ぶりに放ったそれはもはや使い方も忘れていて、意味があっているのかも分からなかった。
「ｸﾞﾙｩ････ソノ、ボク････コトバダメ･･･ゴメン？」
たどたどしく放たれるそれを、そのヒトは少し驚いたように、でもこちらの目をしっかりと見て聞いていた。暫くなにか考えたような顔をしたあと、今までとは違いとてもゆっくりとそして殊更ハッキリと、ボクにとあることを提案してきた。
その提案とは、定期的に訪れ、ボクの足の処置をした後に言葉を話す練習をしようということだった。どうやらこのヒトは手を世話好きなようで、足の心配をして来てくれて色々話してくれるのに、ボクが話せないのはなんだか良い気持ちではなかったから、うなづいて返事をしたのだ。そしてその時に一番最初の言葉を教えてもらったのだ。そう。そのヒトの名前を。
それからは、時間が許す限りの間トレプと言葉の練習をした。記憶の中にあった言葉達も、忘れてしまっていた言葉も、そして知らなかった言葉も全部、彼女に教えてもらった。ボクがちゃんと言えると、彼女は嬉しそうな顔をするものだから頑張らなきゃいけないと思えた。そして帰り際には、次に会う時までに覚えておくようにと、いくつか言葉を告げて帰っていく。そんな彼女の背中を見て「トレプ、またネ。」と告げれば、返事が返ってくる。その瞬間がどうにも寂しく思うようになったのははたしていつからだったろうか。
「ねェ、トレプ。ボク結構喋れるようになったと思うんだけド･･･どうかナ？」
「良かった･･･これも全部トレプのおかげだネ･･･ありがとうトレプ。」
「あぁ、そうダ、この前狼が薬草の生える場所を見つけタって言ってたかラ、今度案内してもらおうカ。」
彼女といる時間はとても楽しくて、嬉しくて、穏やかで、そして愛おしかった。毎日会うわけではなかったから離れている間はどうにも落ち着かなくて、吹雪の日には彼女の安否が気になった。それを動物たちに相談すると、揃って『主様もようやくですか』というのだからよく分からない。
そしてふと、彼女に教えてもらった言葉を思い出す。気持ちを伝える特別な言葉、相手を想うときに使う言葉。彼女はそう言っていた。そうか、これはこういう時に使うものだったんだね。
次にキミに会った時に伝えよう。ボクに言葉を教えてくれた人、穏やかな時間を教えてくれた人。伝えた時キミはどんな顔をするんだろうか。
「トレプ!!!」
彼女の姿を見つけて名前を呼ぶ。駆けていく。そんな姿にまた転んだらどうすると彼女はボクを注意する。
「ごめんネ、なんだかいてもたってモいられなかったかラ。」
「ねェ、聞いてトレプ。とても大事ナ話があるんダ。ボクはネ･･････」
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◆婚姻・既知関係について
所属地や種族は問いません。
キャラクター同士の相性重視でと思っております。
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2018-04-30 15:01:06 +0000