HASU様よりいただきました。
user/5133364
最後の新刊の口絵サンプルです。
小説のサンプルはこちら。
novel/9339988
以下未公開本文ちょっとだけ抜粋。
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ぐっ、と早苗が唇を噛みしめる。
「だから約束して」
咲夜がすっと、小指を差し出してくる。
「貴女が貴女のまま、新しい博麗の巫女になって、事態を解決してくれるって」
早苗の涙が止まらない。鼻水までダダ漏れ。美少女が台無しだ。
「よしよし」
咲夜は反対の手で撫でてやる。それはまるで姉のようだった。
「これは試練よ。東風谷早苗」
優しい人間は自分を責める。例え平等に人を愛おしめたとしても、自分だけは例外なのだ。それは誰もが同じ。咲夜には到底無理だという自覚もある。
「じゃあね」
咲夜は咲夜らしく最後まで凜々しかった。
あんな風になれるかな……早苗が想ったのはそんなことだった。
――貴女ならなれるわよ。東風谷早苗――
風が咲夜の微笑とともにその声を届けてくれた気がした。
2018-04-28 06:10:27 +0000