近畿日本鉄道2600・2680・2610・2800・2000・2013系:
1970年登場。大阪・名古屋線系統の急行用として2410系をベースに製造された。
それまで急行として使われてきた2200系などの戦前製旧型車を置き換えるため、
長距離・行楽輸送あるいは団体輸送にも対応できる車種として、
片側4ドアながらオールクロスシート・トイレ付という他に類を見ないレイアウトで誕生した。
最初に製造された12両が2600系(Q01~Q04編成。Q01・Q02編成が4連、Q03・Q04編成が2連)で、
当初は非冷房だったがのちに冷房化されている。
1971年登場の2680系は近鉄の一般型車両では初の冷房車であり、集約分散式クーラー5台と熱交換機(ロスナイ)を屋上に搭載。
3連2本の6両(X81・X82編成)が試作された。このうちX82編成は現在、鮮魚列車として使われている。
1972年に登場した2610系は4連17本(X11~X27編成)。2680系の量産タイプであり、クーラーキセが連続型となったほか、
冷房能力の向上でクーラーは3台搭載となっている。またボックスシートの背摺りが高くなって居住性が向上した。
一部はコスト削減のため、新2200系が履いていたKD-49Cを履いていたが順次交換が進められている。
これらはその後の混雑緩和策として車端部の一部を除いてロングシート化されたが、2610系のX21・X26・X27編成については
「L/Cカー」と呼ばれる可変座席(デュアルシート)車両となっている。
なお、L/Cカーの第1号はX21編成で、この試験成果を基に5800系illust/39642989)が製造されている。
2800系(AX01~AX17編成)は2610系と同時期の登場であるがロングシート車でトイレはない。2連2本、3連4本、4連11本とバラエティーも多数。
このうちのAX01~AX04編成が3連、AX12・AX14編成が2連である。X09編成は当初4連だったが、サ2959号を抜き取って3連化された。
抜き取られたサ2959号はそのまま廃車となっている。
1997年から1998年にかけては、AX11・AX13・AX15の各編成をL/Cカーに改造、あわせてトイレも設置している。
2600系列の最終バージョンが1978年登場の2000系(XT01~XT12編成)で、3連のロングシート車。
2680系とは特急車の機器流用という点で共通しており、2680系では10000系(ビスタⅠ世)、
2000系では10100系(ビスタⅡ世)の電装品を出力増強の上で流用している。
このうちのXT07編成は長距離運用を考慮してク2107号にトイレを取り付けたが、その後2013年に観光列車化改造を実施、
電算符号および車番こそ不変ながら仕様が変わったことから系列名が変わり、同編成は「2013系」を名乗ることとなった。
系列名は第62回伊勢神宮式年遷宮が行われた西暦2013年にちなみ、XT07編成の片側先頭車が「モ2013号」であったために
番号を変えずに系列だけ変えたのである。車両愛称名は「つどい」。
2600系(Q編成)は2004年までに全廃、また2680系はX81編成が廃車となっているが、
その他の車両については先述の2800系サ2959号(もとAX09編成)を除いて1両も廃車されずに使用されている。
近鉄一般車両を象徴する車両であると言えよう。
2018-04-14 23:52:47 +0000