【えんもの】愛姫【二世代目】

花手鞠
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小さなその社に住んでる神は どんな縁でも結んでくれるそうな

お願いするのは簡単さ 結んでほしい縁の吊るし雛を捧げるだけでいい

1つ吊るして友達に 2つ吊るして恋仲に

3つ吊るして夫婦仲に 4つ吊るしてなかったことに

そら 願えや願え 縁を願え

そして叶えておくれ 真っ赤でかわいい 御雛様・・・


「・・・なんて、なんて馬鹿なんだろうね?」

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こちらの素敵な企画【illust/67011335】に引き続き参加させていただきます。

名前*愛姫(めごひめ)
性別*男
種族*妖怪(金魚の霊+八岐大蛇)
年齢*外見年齢 17歳
身長*172cm

一人称:ひな((後に「俺」に変わる。) 二人称:あんた

性格:冷めていてどこかつかみどころのない性格。

備考:「縁結びの神」として奉られていた金魚の霊と彼女をそこから連れ出した八岐大蛇の間に生まれた青年。
母のように"縁"を赤い糸として見て紡ぐことができ、そのせいで生まれて間もなくあの祠に囚われてしまった。
今では縁の糸に雁字搦めにされ自力で祠から逃れることができない。
しかし、母と違い、父の血が混ざっているためか、左腕だけ自由で祠からも一定範囲内(ほぼ祠周辺~村の近くまで)なら出られるようだ。
その際、赤い糸でぐるぐる状態で徘徊するため、遠目から見たらまるで片腕のない赤い御雛様のように見える。
そのため、村人には崇められながらも不吉だと恐れられている節がある。
本人もそれがわかっているため、気が向いたときにしか外に出ないし、その時も村人には絶対見つからないようにしている。
普段は祠の中にいて白蛇から外の様子を教えてもらっている。

母が御雛様から逃れられたは、父から与えられた「名前」のおかげなのではと考えている。
そのため、自分の本名でここに縛られないように隠し、「おひなさま」と名乗っている。
母にとっての父であったように、この赤い縁たちから自分を逃してくれる唯一の人と出会えた暁に、その名を告げようと密かに心に決めている。

✿4/10 素敵なご縁を頂きました!
杏夏さん【illust/68011307
始まりは そう いつもと変わらない日々の中

あんたはだぁれ? あんたも願いにきたの?

覗く夏色に ぱしゃりと1つ

「何、祠を覗くなり黙って。そんなに「ひな」が珍しいの?」

変わった身なりの女の子 あんたは村の外の人だね?

こんな遠くまでご苦労さん 残念だけど、ここには『神様』なんていないよ

わかったならさっさと帰ってくれ どうせあんたも『波紋』なんだ

どれだけ変わった『波紋』であろうと 変わらぬ日々に消えていく

だから あんたとも ここでさよならさ

―・・・そう 思っていたのに

「なんだ、また来たんだ? 毎日毎日、よく飽きないね。」
「しかも、「ひな」を「おひなさま」じゃなくて別の名前で呼ぶなんて。」
「あんた、随分と物好きなんだね?」

ぱしゃり ぱしゃり 降りそそぐ夏雨は 止む気配を見せなくて

波紋を描く水音は いつまでも 「ひな」の中で ゆらゆらり 響きわたる

これじゃ まるで 夕立ちにあった 水たまりだ

そんなものを描くあんたが 特別にならないわけがない

そうさ 特別になってしまった 夏空のあの子が 大切になってしまった

そんなあんたが「ひな」を好きになるなんて 世界はなんて残酷なんだろう

「何、馬鹿なことを言っているの?」
「それはまやかし、気のせいさ。「ひな」に構いすぎたんだね?」
「もう十分だろう。さっさとここから出ていっておくれ。そして、どこか遠くへ飛んでお行き。」
「せっかく羽があるんだから。」

その白色の羽が嫌いだ 諦めた冬を思い出すから

その藤色の髪が嫌いだ 届かない秋を思い出すから

その紅色の頬が嫌いだ 忘れた春を思い出すから

その青緑色の双眸が嫌いだ 焦がれた夏を思い出すから

あんたの容姿が 声が その全てが 「ひな」にあの頃を思い出させる

助けてと ここから出してと あんたのその手を 赤い手で掴んでしまう

あんたを「ひな」に 縛り付けてしまう あんたから 空を 奪ってしまう

そんなの あんまりじゃないか だから ・・・

なのに あんたは 絶えずに波紋を描く

やめろ やめて やめてくれ 

どうかこれ以上 波紋を立てないで 「ひな」を 掻き乱さないで

そんな音ばかり 響いたら 「俺」は 願ってしまう―!

「そこまで「ひな」を好きと言うのなら、あんたはこの赤い糸を切ってくれるというの?」
「これはたくさんの人の願いだ。誰かとの縁をと願い乞う赤い枷」
「そんな数多の他人の縁を全て切ってまで、あんたは「ひな」を選ぶの?」
「自分の願いの為に、他人の縁を身勝手に切る覚悟が、あんたにはあるの?」

あぁ あぁ ごめんなさい

あんたに こんなこと させてしまって

なのに あんた はっきりと音にしてくれたその答えが 嬉しくて うれしくて

そうして あんたと一緒に 祠を出た

最初に見たのは 突き抜けるような 真っ青な空

そうだ そうだった 青空は とても綺麗だったね

「まるで、あんたみたいだね。杏夏。」

ごめんね あんたに 多くのものを背負わせて

そんな あんたに 何もあげられなくて

だから せめて 俺の全部を あんたにあげる

「特別に教えてあげる。俺の本当の名は―」

晴れ渡る夏に惹かれて 金魚姫は ぱしゃんと 飛び出した

きらきら 飛沫が 青空に 舞う

ねぇ 俺は もう 赤くない?

*家族
母:水愛【illust/67512125
「母様はどうしてるのかな?最後に見た顔は今にも泣きだしそうな顔だったかな。別に母様のせいじゃないのにね。」

父:夕愛さん【illust/67656783
「父様は今何しているのかな?最後に見た時、なんて言われたんだっけ?もう随分と昔すぎて思い出せないや。」

妹:水花さん【illust/68023518
「あぁ、あの子、まだ村にいるんだ?最後に会ったのはいつだったっけ?馬鹿なやつ、こんな所捨てて出ていけばいいのに。『ひな』と違って、綺麗な青いひれがあるのだから。」

*婚姻について。
成立しました。

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2018-03-31 15:28:16 +0000