「・・・・。」
◆素敵な名前を頂きました!
◆しろ→『スフィ』
12歳?/♀/146cm/種族不明
半獣の孤児。
どこからきたのかいつからいるのか誰も知らないが白いのでしろと呼ばれている。
身体能力が高く、挙動は少女というより大きな猫のよう。
現在読み書きは出来ないが人の言葉はある程度理解はできるよう。
影から様々な形の触腕の様なものを発生させることが出来る。
尾を囲む物体の正体は不明だが感情によって色が変わる。
高いところが好き。水と大きな音が苦手。
難しいことはよくわからない。
◆(4/6)素敵なご縁を結んで頂きました!
サファファイアさん【illust/68042629】
暗いところにいる。
もう長い間ここにいる。
遠くに光が見える。
あれはなんだろう。
なんだかとてもあたたかそう。
―――
少女と言うには獣じみていて獣というには半端な姿の「猫」は伸びをしながら欠伸をひとつすると、ねぐらを抜け出し外へ出る。
(おなかがすいた。)
(ひとのたべものをとるのはかんたん。だけど、つかまるとおっかないからまいにちはだめ。
「かり」はおこられないけど、まえよりようすのへんないきものがふえてるし。)
(...きょうもさかなかなぁ。おおきいの、いるといいな。)
そんなことを考えながら向かった水辺には魚以外の何かがいた。
(なんだろう。しらないいきものだけど、つかまえられそう。)
猫は気づかれないようにそっと近寄り、ぱっと飛びついた。
大きな手の下には、ふわふわした感触。
(ふわふわ。まるくてしろい。あと、なんだっけ...あお、そう、あおいろ。ちかくでみても、やっぱりなんだかわからない。)
(でも、たぶんこれもたべられる。ほかのいきものにとられるまえにもってかえろう。)
猫は白くて青いこいぬの首ねっこをくわえると、そのままねぐらへ帰って行った。
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(なんだかたべにくい。)
こいぬは怯えるでもなく、逃げ出そうとするでもなく、ただじっと猫を見上げるだけ。
鳥の羽の様な尾と同じ色の瞳が揺れている。
ねこが右に首を傾げるとこいぬは左に。こいぬが右に首を傾げると、ねこも左に。
しばらくお互いの動きにつられて首を傾げ続ける二匹だった。
(...たべるの、あしたにしよう。)
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しろくてあおいふわふわはよくついてくるようになった。
わたしがはしるとふわふわもはしる。わたしがとまるとふわふわもとまる。
きのぼりはあんまりじょうずじゃないみたい。
いつのまにかふわふわが、とりにつつかれてる。
おいはらってたらなんだかいっぱいあつまってきた...。
ねことこいぬはいつも一緒
街の人々が「しろが2匹に増えた」と噂する頃には、ねこはすっかりこいぬを食べようとしていた事を忘れていた。
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「サファファイア」
ふわふわがしゃべった。
びっくりしてしっぽがぶわっとなる。
へんなものでも食べたのかとおもっていると、同じことばをさっきよりもゆっくりとしゃべった。
さふぁふあ...はふわふわのなまえだった。むずかしいなまえ。
それから、さふぁふあ...ファイはわたしを「スフィ」とよんだ。
わたしの目のいろとおなじいろのほうせきのなまえなんだって。ほうせきっておいしいのかな。
「サファ、ファ、いあ...ス、ふぃ...」
こえにだしてみる。
なんだかおいしいごはんを食べたときみたいな気持ち。ふしぎ。
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今日もファイは傍にいる。
大きくなってもやっぱり木のぼりは得意じゃないみたいだけど、
ファイはわたしの知らないことをたくさん教えてくれる。
分けて食べる食べ物は、なんだかいつもよりおいしいことも、
寒い日にくっついて寝るとあたたかいことも、なまえはうれしいことも、
あの時ファイを食べていたら、ひとりのままだったら、ずっと知らなかった。
ねこは白くて青いいぬの傍でまどろみながら欠伸をひとつ。
おやすみ、ファイ。
明日は一緒に何をしよう。
2018-03-31 15:21:26 +0000