ロンドン・アンド・サウスイースタン鉄道395系(Class 395):
2009年よりロンドン・アンド・サウスイースタン鉄道(London & South Eastern Railway Limited、以下「サウスイースタン」)が運行を開始した高速電車。
HSBC系列のエバーショルト・レール・グループ(Eversholt Rail Group)から運行会社のサウスイースタンにリースされるという形態がとられる。
製造は日本の日立製作所、車両のメンテナンスに関しては日立グループの日立レールヨーロッパ(Hitachi Rail Europe)が協力している。
日立が欧州向けの鉄道車両を製造するのはこれが初となった。
6両編成29本の計174両が製造され、全車両がアシュフォード車両基地に所属する。
基本的にロンドン~フォークストン間の高速新線(CTRL)1号線で使用され、「ジャベリン(Javelin)」の愛称を持つ。
最高運転速度はロンドン近郊で160km/h、CTRLでは225km/h。電気方式は架線集電(交流25kV)
およびサードレール集電(直流750V)である。
車内はボックスシートが主体の近郊型であり、通勤輸送に対応するため出入口付近はデッキがなく、幅も広くとられている。
乱暴な言い方だが「世界最速の通勤型電車」という表現が似つかわしいだろう。
各編成にはイギリスのオリンピックメダリストの名が与えられている。
例えば、第1編成には「ディム・ケリー・ホームズ(Dame Kelly Holmes)」といった具合である。
2012年のロンドンオリンピック開幕時には、フォークストンから会場へのアクセス列車「オリンピック・ジャベリン」に使用された。
また、2009年では全英を巻き込む大寒波でユーロトンネル内を走行していた「ユーロスター」が故障し
トンネルの中に閉じ込められる事態が発生した。その救援に向かったのが他ならぬ395系であり、
緊急事態だったとはいえ、初のユーロトンネル入線となった(395系そのものはユーロトンネルへの入線に対応している)。
2010年に製造メーカーの日立が日本産業技術大賞(内閣総理大臣賞)を受賞。
2018-03-21 08:39:09 +0000