「彼氏 いるってよ」
2学期が始まって1週間ほど経った昼休み
がっくりした表情で田尻が呟いた
俺「あぁ、あの告白した女の子か?」
田尻「いやいや、先生だよ」
俺「なんだって!?」
田尻「夏休み、ファミレスで男と食事してたってよ」
(まさか...)
田尻「まぁあのスペックだもんなぁ 居てもおかしくないわな」
冷や汗が背中を伝った
俺「なぁ。確かなのか?」
田尻「隣のクラスの女子数人が見たんだと
やっと聞き出せたよ」
(なんてこった...)
目の前が真っ暗になっていく
田尻「お前もなんだかんだ言って気はあったのな
あぁ、舞ちゃん...あのナイスバディが夜な夜な男に~」
うなだれて深いため息をつく
待てよ...
俺「それって隣のクラスの先生?」
田尻「当たり前だろ。なんだと思ってたんだよ」
(驚かせやがって...)
視界が一気に開けていく
田尻「しかしうちの担任も伊藤といい感じだし
恋の花咲く季節なのかねぇ」
俺「...おい、今なんて」
田尻「恋の花さ…」
俺「その前!」
田尻「あぁ、牧野が伊藤の車に乗ってたんだよ
土曜 駐車場で見たぜ」
(伊藤...去年国語担当だった教師だ
たしか最近離婚したとかって女子が騒いでたな)
田尻「おい、どうしたってんだよ
顔が怖いぞ 腹でも痛いか?」
先生...付き合っている人が居たのか
そもそも、彼女は社会人で、先生で 俺は生徒で
だから、どうしようないのかな
胸が苦しくなる
彼女は一人で頑張ってきて、心を埋める相手が出来たのだろうか
しかしそう思うと、幸せを願うより先に言いようのない頭痛が襲ってくる
2018-02-28 18:54:25 +0000