晴暦3007年6月1日の日の出時間。
スーリア国のサン海花町にある定食屋「猫福亭」にあるものがいた。
ちょうど、日替わり朝定食の時間。
西の空はまだぼんやりと暗いが、定食屋の席は半分ほど埋まっていた。
その中で、桜カブトガニの素揚げ定食にかじりつく一人がいた。
殻が分厚く火が通りにくいが肉質がさばさばさっぱりした食感がまた人気のある食材。
大抵は夕食向けでありながら、朝に3皿目に突入していた。
「こういうときゃ、食えるもん、くっちゃかにゃあ。」
「こっちにこんなんあるんじゃったら、もっと早くきておきゃよかったん。むぐ。ばり。」
・・・。
<眠るにゃ、眠るにゃ、ずんずん眠るにゃ♪>
・・・。
「ん?」
「どっかで聞いたことのあるこのフレーズ・・・。」
「ま、いっか。」
「どうせ、睡魔かなんかが、にゃもにゃもいっとるんやろ。ぼり。ばり。」
「、くふ~。さてさて~。」
・・・。
そのものは蟹の脚をくわえながら、お勘定済ませて、定食屋の前の道に出た。
「どこなんかの?ここらへんにいる<あれ>がいるっぽいって、うぬぬぬ、云々。」
「それっぽい<なにか>見えんかの?ほら。」
「それっぽいもんはあったんよ、それっぽいもんは。」
「まあ、なんとかなるか。近くっぽいし。なんか。」
・・・。
目的地が見つけられない<兆しの悪魔のサインズライト>は腕組んで、「ぐぬぬ。」と、考え込んでいた。
今いる道の正面突き当たりに目的地の<大全太楽堂の海花支店>があった。
・・・。
「どうするか!どうするべきか!?」
「ん、はっ!感じる!!」
「こっちか!<エリンの園>への道しるべはっ!!」
2018-02-28 12:10:19 +0000