「ねぇ、おりといでよー」
姉ちゃんの声で一階に降り、和室に目をやると
(先生?)
めぐみ「へへー 母さんの古い浴衣だけど、似合うと思って呼んでみたの
どう?綺麗でしょう
明日一緒に花火大会行くんだもんね~」
うちの家族は皆背が高いが、姉ちゃんだけがなぜか低い
なのでサイズはぴったりのようだ
牧野「お邪魔してます
これ、凄く嬉しくって。浴衣なんて小学生以来かしら ふふっ」
そう言うと熱心に鏡を何度も見る よっぽどなんだろう
子どものようにはしゃぐ姿に、先生の新しい顔が見られたようで
胸が熱くなる
と、姉ちゃんが近づいてきて耳打ちする
めぐみ「この間迷惑掛けたでしょう 埋め合わせもあってね
あんたも行く?花火大会」
俺「え?」
めぐみ「あ、もしかしたら他の女の子とか予定ある?
まぁそれなら仕方ないけど
こういうのって、女の子には大事なイベントだから慎重にね
くれぐれも集団で~とかってのはやめときなよ」
俺「へいへい」
行くかどうか悩みながら
麦茶でも飲もうかとキッチンへ
と、その時電話が鳴った
(着信、深山か)
深山「...もしもし」
俺「おう、元気か。どうした」
深山「あ、あのさ
明日河川敷で花火大会あるでしょ」
俺「あぁ、さっき姉ちゃんと話してたとこ」
深山「良かったら、一緒に行かない?
ふ、ふ、二人で
友達みんな都合が悪いとかで、行く人が居なくてさ
...忙しかったらいいんだけど
都合よさそうだったら連絡して」
そう言って電話は切れた
もっと話してもいいのに
悩みの種がまた増える
首をかしげながらグラスを3つ出し、麦茶を注ぎながら考えていた
姉ちゃんはああいうけど...
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大事な選択肢がきました!
2018-02-18 18:39:26 +0000