【ハロ敵】ライナルト【犯】

ひがや
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素敵な企画に参加させていただきます!ハロー、宿敵【illust/65697558

◆ライナルト・キスケ(26歳・181cm・男性)
一人称:私(昼)/俺(夜) 二人称:あなた(君)/あんた、君

昼:近年、学問として形をなしてきた心理学の学者。
研究の一巻として、主に富裕層相手にカウンセリングのようなことを施す。
催眠療法なども取り入れており、わかりやすく「セラピスト」を名乗っている。
昼の仕事の最中に出会った患者でも、「堕ちる」芽がある者には積極的に唆しを行う。
紳士然とした温厚な言動だが、本来好奇心旺盛で興味が有ることには歯止めが効かない。
罪を唆した相手の犯行の新聞記事をスクラップしている。
一度、他の分野の医学を修め、心理学に転向した。地方貴族の五男。

夜:情報屋を名乗り、酒場意欲出没する。「ライノ」という偽名を使っている。
主に犯罪者相手にターゲットとなりうる富裕層の情報を売りつけているのがメインだが、
酒場や夜の街に迷い込んだ一般人や警官・軍人など相手に飲み物に
薬物(大麻が多いが無差別に使う。医療用のものも利用する)を入れ、昏睡強盗をしたり、
催眠術による暗示で凶暴性を引き出すなど、犯罪に手を染めるよう仕向け、ライナルト自身の記憶を消す。
彼に出会い、罪を犯したものは口を揃えて「ブルーバイオレットの目の男に会ったことしか覚えていない」
と証言することから、異名が付けられた。

◆宿敵関係
エマ=テレーズ・ルクレールさんillust/67495509
昼の仕事の客がその教会によく通っている、と聞いたのがはじめだったろうか。
特に信心深いわけでもなく、律儀にミサに通う習慣もないが、神に救いを求めるような迷える子羊に興味があったのも手伝って、散歩がてらに顔を出すようになった。

「やあ、シスターエマ。調子はいかがですか?
 今日も子どもたちには大人気のようだ」

敬虔な信者と、神に仕える慎ましやかな神父や修道女…この穏やかな空間は嫌いではなかったが、
身を置くにはひどく退屈だと思いながら、作り慣れた笑顔で挨拶をする。
なにより、目の前のシスターが時折表情を曇らせるその原因に興味があるから。

✙✙✙

最近、周囲を嗅ぎ回っている警官がいるのは薄々気づいていた。
顔なじみの連中からそれとなく情報を得てうまく逃げ回っていたが、どうやら見つかってしまったようだ。
まあ、それでも構わない。今までと同じく、眠らせてしまえば済むだけのこと。

「俺が昏酔強盗犯?
 ただ単に目の色が同じってだけでしょう?あまりに短絡的じゃないですかねえ…
 俺はただの情報屋気取りのチンピラですよ、お姉さん。
 聞きたいことがあるならお話しますが、俺も命は惜しいのであんまり突っ込んだことはなあ…
 まあ、奥のテーブル借りてゆっくり話しません?」

「…ちょろいもんだな、お嬢さん。
 さて、そのへんに捨て置いてもかまわないんだが………」

テーブルに突っ伏した寝顔を間近に見れば、やたらと見覚えのある顔だった。
ああ、なるほど、と腑に落ちるものを感じながら、口元が緩むのがわかる。

「追跡者(トラッカー)は君か、シスター」

✙✙✙

教会の側近くまで彼女を運んだ後、自宅に戻って思案にふける。
さて、どうしたら面白くなるだろうか。
手元には、自身が手引し犯罪者に仕立て上げたものたちが起こした事件のスクラップファイル。

彼女は、俺のこの歪みを理解できるだろうか。

昼の穏やかな信仰心と、夜の苛烈なまでの正義感ぶりは全く違うようで同じもの。
頑なに「善いもの」を信じ、それに殉じようとする。
正しく、俺が求めていた理想像だ。

理解などはいらない。
ただ、彼女のような善き人に証明して欲しい。
…悪意は誰しもが持ちうるものだと。

✙✙✙
「またあったな。この前?間違えて飲んだアルコールで君が寝てしまっただけですよ。
 俺は何も仕込んでないし、現に君は何か盗まれたのか?」

夜の彼女は相変わらず熱心で、正しさを突きつけ、罪を糾弾する。
自らが罪に手を染めざるを得なくなったら、一体どんな顔をするんだろう。

「へえ、ブルーバイオレットの悪魔。
 そんなものもいるんですねえ…そんなに睨むなよ。
 そんなに警戒されてたら魔法もかけれない。
 どういう意味だって?さて、どうだろうなあ…君はどう思う?追跡者(トラッカー)」

✙✙✙
…密かに相談された、彼女の兄のことをちらつかせれば、自宅に呼び寄せるのは容易だった。
 デリケートな問題だから、と人目を避け、早朝に訪れるよういい含め、罠にかかるのを待つ。
 出した紅茶には睡眠薬。彼女が「ライナルト」を疑う余地ない。
 間もなく意識を失えば、もう完全に俺の手の内だ。

✙✙✙

「ああ、目が覚めたか、シスターエマ。
 やあ、いい顔だな。俺に覚えがあるかい?」

「別人ではありませんよ、よく見てご覧。
 君が信じて、のこのこ会いに来た男だよ、私は。
 心配せずともまだ何もしてない。
 …帰る?ああ、いいんじゃないか?
 もう昼過ぎだ。朝早く抜け出したシスターが男の部屋から大麻の匂いを漂わせて
 帰ってくるなんてなかなかスリリングな趣向だ」

「まだいてくれるか、助かるよ。そうでなくちゃ楽しめない。
 本題だ、そのスクラップを見るといい。
 そこに『ブルーバイオレットの悪魔』が唆した連中の犯行記事がまとまってる。
 …ああ、俺だよ。疑ってただろう?君は。
 最初はバラ園の暴行致死。次は客を屠る娼婦。
 あとは東通りの哀れな家族殺しに、通り魔あたりが主なとこかな。
 みんな気のいいやつだった。だが、俺の誘惑に…いや、己の心に負けてしまってね。
 どんな善人でも、脆いところを突けば簡単に壊れてくれる…。
 不道徳に魅入られるのは俺だけではないんだと、安心する。

 なあ、シスターエマ。
 君は今まで出会った中で一番ストイックで善良だ…押し付けがましいほどに。
 俺は、きっとこれをやめられないだろう。どうあっても。
 だから、賭けをしよう、エマ。

 このピストルをここに置いておく、その気になったら俺を殺すといい。
 そして、君はいつでもここを出ていっていい。
 だが、君が消えたら俺は自分で死ぬ。
 期限があったほうがいいな…1ヶ月だ。 

 君が俺を殺せたら、君の勝ちだよエマ」

◆既知関係について
既知関係お気軽にどうぞ!
設定上、ライナルトに唆されて犯罪者になった、情報屋の常連などの関係は特に大歓迎です。

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2018-02-13 14:45:58 +0000