「フジミヤマ街歩き学生」第4話・幻の赤とんぼ

くさノ

ほとんど廃墟となりつつある鉄骨だけのアーケード商店街。

夕方、発泡酒を飲みながらそこを散歩する大学生Aさん。
今日の発見は古いモザイクタイル壁画だ。

ネットで調べた限りでは「昭和初期に作られた」「ニホンコガネアカトンボを描いたもの」という事以外分からなかった(作者不明らしい)。

この壁画に描かれている「ニホンコガネアカトンボ」は昭和30年代に絶滅したらしい。
今いる赤とんぼと違う所は、身体が強く光り輝いていた事。
特に日光に当たると輝く。夕陽に照らされた時は本当に美しかったらしい。

昭和初期はこのフジミヤマ横町でよく見かけられたらしい。カラー映像が現存していないのでその輝きは絶滅後に生まれた自分達は永遠に知る事が出来ない。

そして、このタイル壁画の作者も永遠に知られる事は無いのかもしれない。

Aさん「…人はいつか死んだら、月へ行くのかな?…そこにニホンコガネアカトンボも居るのかな?この壁画の作者さんも居るのかなぁ?」。

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2018-02-08 09:45:06 +0000