【はじまり】タィール【王子】

Y-bone
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---素敵企画様
太陽と月 はじまりのカタチillust/64996896





---☪タィール=エフェニク・モクチュベス
Tayir Alfyniq Mokchyibeth

age: 25
height: 189cm
sex: ♂

---月の大陸
砂漠の地下楽園 モクチュベス王国 Mokchyibeth

月に照らされた砂漠の下に大きな地下城をもつ国。
舞踊と戦いの神を信仰し、民も舞踊や武を得意とする。
特産はガラスや金属装飾などである。

王族は神の末裔とされる一族であり、人間離れした外見や特殊な能力はこれと言ってない人間ではあるが一般人よりは身体能力が高く、寿命が長い。特に鷹のような鋭い金色の瞳をもち、視力が良く暗い中でも視界が明瞭である。また生まれてすぐに神のお示しにより浮かび上がった独特な模様を、一族の証として赤子のうちに全身に彫り込まれる。

基本的に長男継承、それか極めて特殊な場合その他の皇子が次期国王を継ぐ。
現在は6人の皇子と8人の皇女がおり、タィールは第四皇子である。
(詳細は投稿にて)





---12/05 素敵な花嫁をお迎えできました!

ジャミール・ビント・ダウ=トゥルバ嬢【illust/65952785

✩。

太陽の大陸から遥々嫁いでくる花嫁を迎える前日の夜、父上との一方的な交渉を思い返しながら憂鬱な気分で酒を飲んでいた。

(…チッ、あれじゃあただの脅迫だろうが)

物心付いた頃より、自分の身に背負わされた運命に内心では不安を感じていた。
「神の血を引く者」だからといって周りの人間はあれこれ詮索する。王の座などちっとも興味がないが、人の疑心はどうすることもできず、ただ国のため民のため、戦場を駆け巡り剣を振るった。
酒好きで女好きで破天荒、そんな姿を見せれば誰もが「あいつは王の器ではない」と諦めてくれるだろうと思った。
…本当は誰も信用できなくなっていたのかもしれない。
信頼や絆よりも王族としての責任を果たすことしか頭になかった。

……そんな自分に妻を迎える準備はまだできていない。

✩。

結婚のことで頭が痛かったせいか父上から話された相手の情報をほとんど聞き流していた。
…まさか手のひらよりも小さな妖精の"花嫁"だと?聞いていないぞ…

「…なんだこのちんちくりんは?!」
「姿はちんちくりんだが心はでかい様だな、"花嫁"よ?いや決して褒めてはいないがな」
「……はあ、第四皇子妃に与えられるべき尊重と権限は保証しよう。それ以外は、まあまずその姿をどうにかしてからの話だ」

✩。

後日ようやく花嫁の国や種族の話を詳しく聞き、まともな姿も見ることができた。

(まあ…痩せてはいるが悪くはないな…)

「恋をすれば青年姿を保てる」というが、今まで据え置きの妻として最低限の会話しか交わさないのになぜ青年の姿を保てるのだろうか…夫には愛人を作っても構わない応援するなどとぬかしていたが、まさか自分も…?だが夫としての自覚もない自分がとやかく言う資格はないのに苛立ちだけが積もっていく…

「恋の応援?何を言っているのだ?母上の訓えだ、オレの宮殿では第四皇子妃は一人しかいない、これからもだ。」(だから安心して妻の役目を果たしてくれ。)

「昨日は誰と居たんだ?…いや、特に意味はない。」
「オレが娶ったのは妻であって愛の伝道師ではなかったはずだが?夫を他の女に押し付けたいのか?」

「…虫唾が走る、戦に出てくる」

怒りに任せて戦場へ飛び出たはいいが、予てより埋伏をしていた敵国の兵に奇襲をされる。
率いる優秀な親衛隊が返り討ちをしたものの、矢を肩に受けてしまいそのまま意識を失った。

目が覚めたとき、すぐ傍らで"花嫁"が手を握り泣いていた……

✩。

「…オレも言葉が足りなかった。あのように怒鳴ってすまなかった」
「お前の眼、そんな色をしていたのだな…(まるで草原を思わせるような宝石みたいな緑だ、知らなかった)」



傷を癒す間、少しずつ二人の会話が増えた。
そして傷が癒えいつものように外へ出かけようと思ったが、ふと嫁の顔を見るとなんだか言いたげな表情だった。

「…今日は久方ぶりに狩りに行く。端で見ることしかできないが、お前も…行くか?」

✩。

「おい、ジャミール!ちょっとばかし城下へお忍びで出かける、お前も来い!」
「聞いているとは思うが、モクチュベスでは祭り事は一大事だ。王族として顔を出さなければならないが、その後はオレが遊びに連れて行ってやろう。侍女にも内緒だぞ?」



「王の座なんか興味ない、兄弟達にくれてやる。オレは民とこの地とお前を守れればそれでいいのさ」

「太陽は見たことがないが、きっとお前のように暖かく輝いてる気がするぞ」

「オレたちは寿命が違う、だがお前が愛した空…風…大地…全てを、オレも死ぬまで愛そう」


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2017-12-02 19:40:22 +0000