◆ジマ・ロシニール
20歳/170cm/男/果ての凍土 エルイエロ第6王子
一人称:僕 二人称:貴方、君
エルイエロ第6王子。
穏やかな性格で幼い頃から本を読むことが好き。
石化症により他の兄姉は全員亡くなってしまったので王の子唯一の生き残り。
石化症の後遺症により体の一部が鉱石化している。
末の子である事と、優秀だった兄姉に比べ特に優れた才を持たなかった為、何も期待されずに育った。
突然国の命運を任されてしまい、もう自分しかいないのだからなんとか上手く事を運ばねばとは思うものの不安と緊張で胃が痛い。
◆石化症
数年前空より降ってきた魔石群から発生した毒素が原因とされる特殊な病。
徐々に身体が鉱石化していき、やがて動けなくなり死に至る。
ジマの一族達にとってもこの毒素は未知の物であり、彼らの特性をもってしても毒素の分解が上手くできず
多くの者が命を落とした。
現在は薬が作られ、病は鎮静化したが、体の一部が鉱石化したままの者が多い。
◆(12/10)素敵なご縁を結んで頂きました!
花弁の舞う国 アストリーゼ/アリシア・フルール様【illust/66210946】
ようやくエルイエロに協力しても良いという国が見つかった。
太陽の大陸。海を渡って僕の婚約者がやってくるらしい。
安堵したのも束の間、「どんなひとだろう」「上手くやれるだろうか」また新たな不安が浮かび上がってくる。
「...はじめまして、エルイエロへようこそアリシア様。長い船旅でお疲れでしょう。あの...今日はどうぞゆっくりとお休みください。」
「昨日はよく眠れましたか?そう、それは良かった...。そうだ、落ち着いたらこの国を案内しますね。」
陽の沈まない大陸からやってきた「婚約者様」は思ってたよりもずっと穏やかな人だった。
明るい色の髪をなびかせて、ころころとよく笑うひと。
彼女はこの国の状況を見ても、恐れることも、国に帰りたいとも一言も言わなかった。
政略結婚と聞いていたのに、この人はまるで...
変わってる。と思った。
いや、そうでなくては困るのだけど、やっぱり国へ帰りたいなんて言われたら、とてもとても困るのだけれど
でも、もし仮に僕と彼女の立場が逆だったとして、彼女と同じ事が僕に出来るのだろうか。
「雪が珍しいですか...?えっ、外に?そ、その恰好だと流石に寒いと....あっ、ちょっと待って...!」
「貴女は本当に植物が好きなんですね。貴女の国は、沢山の花が咲いていると聞きました。きっととても美しいのでしょうね。ここはずっと冬みたいなものですから、僕はあまり沢山の植物は見たことが無くて」
「生まれ育った国を出て、新しい土地に行く事、怖くはなかった?そう、君は強いね。僕は太陽の大陸の事はあまり知らなかったから、どんな人がこの国にやってくるんだろうって少し怖かった。
...はは、情けないでしょう?」
花の国で育った、無邪気に笑うひと。
君はいつも暖かで、僕に足りないものをたくさん持っていて...僕には少しまぶしい
「僕はこの国から出たことが無いから想像もつかないけど、僕も君の育った国を自分の目で見て見たい。」
「僕は昔から何をやっても駄目で、どうしようもなく臆病で、本当は君が思ってるような人じゃない。」
「でも、君に出会ってから僕も、変わりたい、君の様に前を向いて歩いていけたら...この先を、君と歩いて行けたらって思うようになったんだ。」
あの時生き残ったのが不出来な僕じゃなく、兄姉の誰かだったなら、とずっと思っていた。
それでも、いつも隣で笑っていてくれる貴女。
ただただ純粋に、この国と僕を案じてくれる貴女。
僕は太陽というものを知らないけれど、きっと太陽とは貴女の様なあたたかなものなのでしょう。
「僕はまだ未熟者だけど、いつか君のことも、この国のことも支えられるような強い人になりたい。
だから見ていてアリシア。これからもどうか僕の傍にいて欲しい。」
2017-12-02 16:08:07 +0000