ピンポーン♪
「あら?あの子達かしら?」
呼び鈴に呼ばれたユリカは玄関に行きドアを開ける。
「こんにちはー♪」
玄関前に男の子と女の子の2人の園児が立っていて、満面の笑みでユリカに挨拶をする。
「あら、こんにちは。チキ君、ルウちゃん。」
2人はユリカが住んでいる都営住宅の両隣り二家族の子供である。
大学の保育実習先のこども園で2人と知り合った事がきっかけで
両隣りとは家族ぐるみで仲良く付き合うようになったのだ。
「御神輿かつぐの楽しみだねー♪チキくーん♪」
「う、うん…」
今日は戸越銀座で秋のお祭りが開催される。
こども園の子供達で御神輿を担ぐ行事が有るが
2人の両親はあいにく仕事があり御神輿担ぎの付き添いが出来ないので
その役をユリカが買って出たのだ。
夫のあらしはというと、その祭りの踊りで太鼓を叩く役を引き受けていた為
先にお祭り会場に行って不在だった。
そういう訳でユリカは先ほど娘の菫を実家に預けてお祭りの準備を整えていた。
「2人とも法被姿可愛いわよー♪」
チキとルウの通うこども園で着る体操服は男女共通で上が丸首と袖が臙脂色の無地の白シャツに下は臙脂色のブルマであり
その服装の上に法被を羽織っていた。
法被の色は男の子が青、女の子がピンク色である。
ちなみにそのこども園はユリカが卒園した昔幼稚園だった園である。
「ありがとう、ユリカお姉ちゃん。」
ユリカはにこりと微笑み2人の頭を撫でると、ルウが照れ顔でお礼を言う。
「ユリカお姉ちゃん、色は違うけどボク達と同じ服着てるーお揃いだね。」
チキのその言葉にユリカは
「戸越銀座祭りに園児学生が参加する場合は法被の下は体操服が決まりだそうだから
私は大学の体育の授業で着ている体操服の上に法被を着てみたの。」
ユリカは高校時代の体操服ブルマの上に法被を着ている。
その理由をそう説明すると2人はすんなり納得して、ユリカと一緒に集合場所の戸越公園へ向かう。
「あらしくーん♪」
「こんにちはー」
戸越公園に設置されている櫓の上にいるあらしに声を掛けるユリカとチキ、ルウ。
「おおっ!来たかだぜ!
チビ達も一緒か、こんにちはだぜ!」
あらしはそう返事をすると櫓から降りて3人の元に歩み寄る。
「そうだぜ!記念写真を撮るから、そこに並んでくれだぜ。」
デジカメを構えて3人の立っている姿を撮影する。
(ユリカ…黙っていれば高校生なのとか言われそうだぜ…
それにしても、出産や授乳を経験したはずなのに
あの胸とブルマのお腹やお尻…そこから出ている太腿は高校時代と何ら変わりないぜ…
流石に毎日バレエで体を整えているだけはあるぜ。)
ファインダー越しにユリカのブルマ法被姿を見てそう思いつつシャッターを切るあらしであった。
【終】
【あとがき】
今日で23歳になるユリカちゃん。
1年休学して今年で大学4年生…
学生だからと体操服ブルマの上に法被を着てお祭りに参加出来るのは今年で最後?
果たしてユリカは衆人下でいつまでブルマ姿を晒す事が出来るのか…
2017-11-23 15:00:01 +0000