「おんぶされるなんて何年ぶりかしら。<バイフーおにいちゃん>」
「ふざける余裕があるなら落とすぞ」
「ふふっ冗談よ。それとも私が痛めつけられた姿を嘗め回すように見て視線でいやらしく嬲り倒すつもりならそれはそれで」
「イザベラ」
「冗談よ」
「別にそんな趣味がなくたってテメェが嫁に行くくらいまでは面倒見るつもりだ先代たちとの約束だし。長い付き合いだ化けて出られたらたちが悪そうだからな」
子供が親の愛を試す様に、イザベラの愛情確認は出会ったその頃から歪んだまま幼いままだ
妖艶な被虐的な女を演じているのは、痛みを与えてくれる相手を失ってもその痛みが残れば
その相手は消えないという。
彼女なりの信仰のようなものだ。
そして、甘やかされると茶化して逃げ、本気で恋や愛を理解しているわけでもないということ
バイフーに
一人の女としてみてほしいというわけではないのだろうとバイフーは理解している
全て自分より自分を理解した上での
優しい言葉をかみ締めるようにそっと上体をバイフーの背中へと預け黙る
「・・・・・・そうね、捨てて言ったりしたらお化けになってしまうかもしれないわ」
ふざけながらもまわす腕に力が入る
たくさんの戦に自分の大切な『父』たちは淘汰されてしまった
だから大事な人を守れる強さを身に着けた
それが直接役に立ったのかはわからない
けれど、守りたかった腕の中の温もりは今も昔のように存在している
「ねぇ、バイフー」
「ん?」
「なんでもないわ。よんでみただけ」
「変なやつめ」
ため息交じりの笑いを浮かべながら担ぎなおすと
二人の店へと向かっていく
道には戦を生き延びた者たちの光がぽつぽつと道しるべのように輝いたいた。
きっとこの先再び生や死を問われる戦がきたとしても
なんどでもこうして光をともし歩いていける
そう考えるイザベラを
心地よいまどろみが包んでいくのだった
【おかりしました】
バイフーさんillust/64081049
いやはやアフター入ってかなり遅くなりましたがイザベラEDとなります
多分しばらくしたら
かすり傷すら残ってないピンピンした姿で
ギルドに燕のおすそ分け(商売)をしに遊びに行くことでしょう
皆様お疲れまでした
無事の帰還お待ちしております
2017-11-19 10:17:50 +0000