※終了企画です。ありがとうございました…!
☼太陽と月 はじまりのカタチ☾(illust/64996896)
☾ノエ=シルヴェスター(Noe=sylvester)
男|20歳|183㎝|春生まれ|一人称『俺』|好きな食べ物はワッフル
王家の期待を一身に背負い、それに応えるべく生きてきたが為に
自分を出すのが極端に下手な男。
体裁さえ繕わなければ少々天然で、熱中しやすい性格をしている。
☾シルヴェスター王国(illust/65926446)
⌘素敵なお嫁様/アーシェ・ファルティーユ姫【illust/65764889】
「ファルティーユ国第二王女、アーシェ・ファルティーユ姫。
私は、シルヴェスター王国より仕った──第一王子、ノエ=シルヴェスター」
「ここへは観光目的で赴いたのではない。
……きみに。きみに、会いに来た。俺は、きみの夫になる男だ。」
「……政略的婚約により、
きみの未来を俺に縛りつけてしまうこと。
先に詫びよう。……すまないな。」
「せめて不自由はさせない。
俺も、きみの『良き夫』でいよう。」
『国の良き王子』をやれるのなら 俺は『誰かの良き夫』にもなれる。『俺』の言葉は届かなくていい。それが、国と、誰かの為になるならば。
そう思っていた。
☽
「…悪いが、あまり。人前では喋らないようにしている。」
「余計なことを口外し…家に泥を塗りたくないのだ。」
「だが…きみは遥々嫁いできてくれた身。
…退屈しているのなら、きみの相手を用意させよう。
何か希望はあるか。ヒトでも、ネコでも。」
「…俺? 俺は…いや、そうだな。それが『夫』の
つとめならば。」
「…これは国の為の結婚なのだから、
無理して俺を好きになる必要はないよ。」
「…だが…シルヴェスター王国のことは、
好きになってくれると嬉しいよ。」
妹とそう変わらない年齢、民の上に立つという
意味では、自分とも似たような立場であるはずの
彼女は 俺の知るどんな常識からもはずれている。
そんな風に思えた。 そのせいだろうか。
「アーシェ姫。きみは龍の能力が使えると
聞いたが…。…俺に何か魔法でもかけたのか?」
「きみを見かけるとつい目で追ってしまう。」
「大したものだ、ティーユの血統は。
…? ?違う…? …違うのか。そうか。
それは…失礼した。では…いや。」
では何故、と続きを紡ごうとしたが
メイドがこちらを見ていることに気付き
思わず言葉を濁す。
「喋りすぎたな……忘れてくれ。」
窓から落ちる満月の光と彼女の瞳がこちらを
じいと射抜いている。
何者にもとらわれない、黄金の龍の姫。
その眼差しから目を離せない理由を俺は知りたかった。
「アーシェ。いくら気持ちの整理がついているとはいえ
懐郷はあるだろう。俺とファルティーユへ赴かないか。」
「俺のような者が一か月も二か月も国を空けるのは褒められたことではないが、俺……俺はどうしても、きみが生まれ育った国を、きみと見てみたい。」
そうすれば。 そんな時間があれば。
あの日見つけられなかった言葉もこの喉に降りてくる。
そんな気がして。
🐈
あの日の出来事は今でも鮮明に思い出せます。
「…。言葉以外で解り合わんとされたのは初めてだ。
アーシェ姫、きみは…。」
シルヴェスター王室が手塩にかけている中庭。
我が愛国シルヴェスター、もとい月の大陸は
一年とおして夜にあいされた土地。
その日もひとかけらも欠けることない
月が、まるで恭しくも祝福するように。
並び立つお二人を照らしておりました。
「…では、まず一曲。俺がリードしよう。姫、手を。」
「きみは、…」
それはまるで御伽噺のページを捲るように。
「きみはいつも…『俺』を見ているな。
王子という体裁の向こう側にいる…一人の男を。」
ノエ様の言葉は閑かで、アーシェ様の舞は
重みを失ったようにずっとかろやかです。
でも確かに、そこにあるのは二人の交情、
二人の未来。 ──それから。
「…姫。その。俺のことはどうかノエ、と。
俺も、きみのことはアーシェと。そう呼びたいと、思った。
王子と姫ではない…俺ときみの時間が…いや。」
「……、上手い言葉が、見つからない… …こんなことは…初めてだから…」
おおきな瞳を瞬かせたりまるめたりする
アーシェ姫を、ノエ様はまぶしそうに
眺めていらっしゃるようでした。
「いつか…聞いてくれるか。もし、俺が、この続きを…適切な言葉を、見つけられたら…。」
ノエ様、わたくし、よーく存じてますのよ。
「きみに聞いて欲しい、アーシェ。」
「これもきみの魔法かな。」
あなた様は、実はアーシェ様の前では一等
口数が多くなるのです。その意味するところ、
一刻もはやく気付いてくださいませ!
──シルヴェスター王室とあるメイドの手記より。
☽☀
素敵なご縁、ありがとうございました…!
🐬同大陸のお友達…ロナ・プラージュ君(illust/65759780)
「ロナ殿下、お変わりなく。前に話したシルヴェスターの蔵書をお持ちした。…それとあと、菓子折りも…」
「殿下。…ロナ。僭越ながら、ロナとお呼びしても構わないだろうか。…立場を超えて、貴方と友好を結びたいと思った。不思議な感覚だ。
どこからか、貴殿を慕う プラージュ王国の民の声が聞こえてくるようだよ」
🌗大事な半身/ベロニクルさん(illust/65736902)ベロニカ
「おはよう、ベロニカ。今日の巡視の報告と引き継ぎだが(もふ)…(もふもふ)」
「ベロニクル。いつも言っていることだが……無理は、しなくていい。頼りにしていないという意味ではない。お前がそうしてくれるように、俺もベロニクルという人格を尊重したいのだ。
お前の兄であるということ、誇りに思う。」
「(どうか、この俺以上に幸せに。)」
2017-11-03 15:42:42 +0000