「おや、兄に会ったことが? そうだね、顔は似ている、とよく言われるよ。
……おっと。まだ話していなかったかな。
公賊船テンペスタ船長、ユージーン・マードックは私の兄だ。意外と気づかれないものだねえ」
イライアス・マードック Elias Murdock
人間/男/30歳/178cm/私(僕)、きみ、あなた/~さん、(役職名)殿
マードック家現当主。ユージーン【illust/63992410】の実弟。
出奔した兄に代わり12歳で家督を継ぎ、地方貴族でありながら造船業で成功を収めたやり手。
復活者戦役中は船や武器、物資の提供でヴェルリア軍を支援、また民兵を組織して領民を守っていた。
鷹揚でのんびりしているようにも見えるが頭が切れ、細やかなようで大胆な気性の持ち主。
当主として・事業主としての才覚を早々に自覚していたために若くして家長、領主として周囲に認められた。
ユージーンはすべてを弟に任せて家を出たことにいくらか負い目を感じているが、当のイライアスは全く気にしておらず
たまには手紙を送ってほしい、妻と娘にも会いに来てほしい、とだけ伝えている。
妻イヴリン【illust/65645453】とは兄弟ともに幼馴染で妹のように可愛がっていた。
彼女との間にできた愛娘ユーニスの成長がなによりの楽しみ。
「彼女も僕も、もうずっと長いこと恋をしているんだろう。彼女のそんな瞳を僕は好きになったんだ。
……内緒だよ、あの子はとても恥ずかしがり屋だからね」
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「おとうさま、おかあさま! それはおじさまからのお手紙?
おじさまはいつ帰っていらっしゃるの? ユーニス、前におじさまと約束したのよ!
海のおはなし、外国のおはなし、冒険のおはなしをしてくだるって、
それからバイオリンを聞かせてくださるって! ああ、待ち遠しいわ!」
ユーニス・マードック Eunice Murdock
人間/女/7歳/125cm/わたし(ユーニス)、あなた/~さん、(役職名)さま
イライアス、イヴリンの娘。
穏やかな両親にのびのび育てられ順調におてんば娘へと成長しつつある。
やんちゃな部分は母親譲り、要領の良さは父親譲り、物怖じしないのは伯父の影響。
伯父にあたるユージーンとは数えるほどしか会っていないがよく懐いており、
彼が弟に呼ばれて家に来ると海の話や冒険の話をせがんでなかなか解放しようとしない。
ちなみにユージーンが海賊であることは知らず、商人だと聞かされている。
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「兄はここにいてはいけなかった。私にはこれが向いていた。ただそれだけの話さ。
自分の能力を十分に発揮できる場所が得られたのだから、兄さんが家督を譲ってくれてラッキー、
くらいに思っているよ。
海賊になったと聞いた時にはさすがに驚いたけれどね。いいんじゃないかな、自分で選んだ道なら。
魂が叫ぶのなら従わないと。悔い続けて生きるのは、きっととてもつらいから。
目指す場所がどんなに危険で困難であっても、諦めたら自分の中の何かが崩れてしまう――
そういうことだってあるだろう。……男だしさ。やっぱり、冒険ってしたいじゃないか。
私にそれだけの熱はなかったけれど、同じ物語を読んで育ったからね。わかるんだ。
手紙で兄さんの冒険の話、楽しかったこと悲しかったこと、手に入れたお宝のこと、出会った人々のこと、
それが聞けるだけで私にとってはご褒美だ。送り出してよかったと思える。
とある船乗りの物語。まるで幼い頃に読んだ絵本のようだ。
そんな世界が、彼の生きる場所だった。行くべき場所だった。なんてことはない、簡単な話だよ」
2017-10-29 07:13:09 +0000