パンも牛乳も、砂糖も安くてもいい。だが、一つだけこだわりがある。絶対に鍋に火をかけて作ること。「さ、できましたよ。」「……。」甘い牛乳の匂いのするそれが、小さな鉢に盛られる。ゆっくりとスプーンですくって、一口、二口。元々そんなに入っていたわけでないから、あっという間になくなった。「……まずい。」そう言って鞄の中に戻ったけれど、彼は言葉を聞いて笑っている。出した音とは反対に口元が優しく笑っていたのを知っているから。 4/26 ブクマありがとうございます
2009-10-05 15:56:53 +0000