長い時に存在し伝承にすら残らない存在がいた
それは影であり、滅びであり、欲望であり、竜だった
それは戦を起こし、同族である竜を狩り、国を食らう化け物だった
他者を変質させ、自らの器にし、長い時を生きたそれはある日滅びを垣間見た
滅びの間際、苦し紛れに入り込んだのは今までで最良の器だった
しかしそれは弱りきり、器を乗っ取る力もなく、その中で眠りについた
何かを求める心を餌に少しずつ力を蓄えていたそれは、器の心をそそのかしついに得たのだ
最良の器を模した最高の肉体を
それはまた喰らうだろう 生きる物も死んだ者もよみがえった物さえも
なぜならそれは、欲望のままに存在する貪食の竜なのだから
一人称:俺 二人称:お前
高圧的で自己中心的 軽薄で怠惰でありながらそれでいて狡猾
食べる事以外にさして興味がなく、その食事方法はなびく髪の内側にある力場で包み込んだものを削り取るように喰らう
当然口でも喰らうが、質より量なので一気に食える方法を取る
ただ気に入った物は口で少しずつ食う
元となった復活者が変質した肉体なので、切られようが殴られようがちぎれようが泥のように再生する高い不死性を持つ
食べる物に基本見境はないが、今は新鮮な生きているものを求めている
入れ物だったシアと無意識化でまだつながりが残っており、磁石のように引かれあっている
「寝起きだからな。 さっぱりとして柔らかい女がいいな。 だが量のある男も捨てがたい。 まあ全部食ってやるがな。」
「生き物は新鮮で美味い。 鋼人は味は落ちるが歯ごたえがある。 復活者は…ちょいと大味だが量がある。 最高だね。」
2ページ目はちょっとした蛇足
2017-09-04 16:27:48 +0000