戦場には場違いな、美しく柔らかな音色が響き渡る。
「いい子ね…落ち着いて、もうこんな事はやめましょう?」
しかし目の前の復活者はまるで聞く様子もなく、襲い掛かってくる。
「…やめなさいね?やめ…あいたっ!やめなさいって言ってるでしょ!言って分からない子はこうよ!!」
すると光の矢が次々と放たれ、襲い来る復活者達を貫いていく。
背後で怯える子供達を振り返り、彼女は柔らかく笑って見せた。
「大丈夫よ、貴方達は安全な所まで連れて行ってあげる。必ず!」
彼女の脳裏に浮かぶのは、逃げ惑う人々に流されて離してしまった、可愛い一人娘の小さな手。
お母さん!と必死に呼ぶ声。
(どうしてあの時、この手を離してしまったのかしら…)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「私と似た女の子を見かけなかったかしら?娘を探しているの。」
名前・シャールカ
年齢・35歳
身長・165cm(耳は除く)
音楽を奏でて魔法を発動させる魔法楽師。扱える魔法は攻撃から防御、治癒と幅広い。
楽器はリュートなど色々と持っているが、メイン楽器はハープ。
かつて夫と共にデスゲイザーとして活動していたが、娘が生まれると同時期に休止。
その三年後に夫を亡くしてからは一人で娘を守る為、完全に第一線から退く。
それ以来彼女は母親として、ただの楽師として暮らしてきた。
しかし傀儡王の軍勢から娘illust/64052202を連れて逃げる途中で繋いだ手を離してしまい、離れ離れになってしまった。
その為シャールカは娘を探しながら、必然的に再びデスゲイザーとして戦場に立つ事となった。
現在の彼女はデスゲイザーでありながら、同時に保留派でもある。
一見矛盾しているようだが、これは「復活者か生者かではなく、
個人の性質を見て危険かどうか見極めるべき」という思いからである。
彼女は復活者と対峙した時、最初に対話を試み、敵意がなければ何もしない。
敵意のある相手の場合は、精神を落ち着かせる魔法を奏でて鎮静化を試みる。
それでも無理だと判断した時には実力行使に出る。
2017-08-29 14:21:52 +0000