「さみしいって気持ちを捨てたら、きみとの思い出もなかったことにしてしまうような気がする」
◆フィー(Φ) 11歳/140cm 熱月(テルミドール)2日生まれ 一人称:ぼく 二人称:きみ、呼び捨て
ユトリロに居を構えているものの、冬以外はずっと旅を続けているため留守にしていることの方が多い。
一族の慣習にならい、成人するまでは本名の頭文字を呼び名として名乗る。
❤すてきなご縁を結んでいただけました!
ラムシャダさん♡【illust/64412387】(8/20)
「こんな街はずれに、小さい子が一人でうずくまっている!」
突然皆が歩みを止めたかと思うとばたばたと路傍に向かって、何かを心配するように群がる。
背の高い大人たちに阻まれて、ぼくには皆が何を見ているのかよく見えなかった。
一人状況についていけずにいると、母さんがぼくの肩をたたく。
「あなたと同い年くらいの子がいるの。わたしたちのことが怖いみたいだから、同じ子供のフィーが声をかけてみて」
知らない子に声をかけるのはすこし怖くて気が引けたけれど、その子はぼく以上におびえているように見えたから、つい。
「ねえ、だいじょうぶ?」
…返事が返ってくる前に、目の前の影はふらっと倒れてしまった。
その子はラムシャダといって、理由は教えてもらえなかったけれど、親元を離れてひとりきりで旅をしているらしい。
知らない大人に取り囲まれて何度も怖い思いをしてきただろうに、それでも今まで独りぼっちでいたのだという。
その話を聞くだけでも、ラムシャダは本当につよい子だと思う。一人旅なんて、ぼくなんか絶対できないもの。
「ラムシャダ、だめだよ、一人じゃ危ないよ」
危ないから一緒に旅をしようと皆で口をそろえて提案したけれど、ラムシャダは断った。
それでも一人でいるのは危ないと思う。こんなすてきな子が危険な目に遭うなんて、よくないと思う。
「ぼくだってたしかに子供だけど、でもラムシャダより年は上だから。
年下の子を守ってあげるのが年長のつとめって教わったもの」
「…本当のこと言うとね、こわいんだ。ここでお別れしたら二度と会えなくなりそうで…」
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「それなら荷馬車に乗ろうよ。ぼくたち軽いからきっと怒られないよ。
…そ、そっか、じゃあぼくもゆっくり歩くね…」
「どうしても苦手なら、きみのぶんまでぼくが目利きをする。
逆に商人は目利きだけじゃだめだってぼくはいつも怒られてるもの…。
ラムシャダの声は澄んでいてきれいに響くから、きっとお客様とお話しするのはずっと上手にできるよ、安心して」
「ねえ、敬語で話すのはそろそろやめない?ぼくたち友達だもの、ね?」
「きみだけが欲しがっていると思わないで。ぼくだってきみの色が欲しいんだ、ラムシャダ」
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◆企画元:きみの存在に恋をする。2【illust/63789348】
2017-08-17 14:14:03 +0000