「腐っても騎士である以上、恨みのない相手に殺生したくはないが……」
青年は乙女を血に滾った目で見据える。
「ここも騒ぎを起こさねばならないのです…!」
脇差に手を掛けたその刹那、
肩に背負うメイスを抜き取り構えると
その鉄剣に鈍く重い衝撃が走る。
衝撃の先にいたのは、鋼鉄に身をつつんだ魔獣族……グリコであった!
「自国の同士を討つためにこの状況を狙うなんて…!!」
「もはや国に忠誠を誓う騎士ではないのだ!」
メイスを薙ぎ伏せた皮切りに距離を測る両者。
乙女の騎士…ルイスの前を立ったグリコは
刃で斬りつけんと待ち構える男を語りかける。
「忠誠を誓わなくとも今君達が戦うべき相手は違うはずだ…!」
「オークよ…貴様は何かを誤解しているようだな…?」
銀髪の男…シースは不敵な笑みを浮かべ自分の身丈程のメイスを構え直す。
彼から放たれる禍々しい“匂い”にルイスは警戒する。
「気をつけてください…まだ半身以下とは言え相当の力を持っています…」
「まさか彼は…」
「……彼は、“成長している”復活者なのですから…!」
復活者である以上闘わなければならないのだろうか…
この大陸の現状がグリコに拳を震わせる。
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こちら【illust/64413589】に乱入させていただきました。
防衛成功しました内企画の方にイメレス置かせていただきます。
お借りしました。
ルイスさん【illust/63998833】
シースさん【illust/64057307】
2017-08-15 14:40:11 +0000