九十九路の羅針盤 - the compass of 99 Roads -
(哀しい子はこちら 月差す方へ
寂しい子はこちら 鈴鳴る方へ)
沈黙の国 くちなし
金融業と花街で栄えた国。
一面の金色をかき分けて進んだ先、
どこか寂しげな町並みが見えれば、
路は既に彼の国に続いている。
住人は皆、許された場所以外では口をきかず、琴や鈴で意思疎通する。
しきたりを知らぬ外人(ソトビト)が無闇と騒がしくすると、
いつの間にか姿が見えなくなるという噂があり、影では"拐かしの里"とも呼ばれている。
いつからか、行方をくらます者が増え、
しかしそれ以上に繋がる路が増え、灯りがこぼれぬ夜はないという。
行き交う人の間を縫うて、白銀の尻尾がゆらゆらと。
行きはよいよい帰りはこわい、人喰狐にお気をつけ。
雨月 - Amatsuki -
格子戸襖屏風磨りガラス 障子簀垂にまた襖
ふたつ角を折れて左右左 暖簾をくぐれば緋色の襖
妓楼の最奥に棲まう狐。
くちなしが生まれたときから国を眺めてきた。
かつては気まぐれに客をとるばかりだったが――
「貴方ひまそうね!
話し相手になってくれるがいいわ!」
「あら、狐だって食べるものは選びますのよ」
最近尻尾が三本に分かれた。
年は50を越えた辺りから数えていない。
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◆ 縁 者 ◆
元くちなし斎主 夕顔【illust/63564666】
「おいたはだめ。お仕置きは好きかしら」
旧知【illust/64050163】
『前略 友へ
商談で家を空けることになりました。
長くかかりそうで、帰る時期の当てもない。
すまないが、次の機会にと言っていた酒は何人目かの嫁御と楽しんでくれ。
それから ■■■■■■』
「面白い読み物を見つけたわ。
あの子の前で読み上げてあげてもいいんだけど?
嫌なら久しぶりに顔を見せにおいでなさいな」
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◆絆について◆
ピンとくるものがあればお声がけいただければ幸いです。
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第一期から最終期まで楽しく参加させていただきました。
カナメ様、お義父様、紅茶様、内藤めあ様、ぴこ様、何かと至らぬ点も多かったと思いますが、優しくお付き合いしてくださり、ありがとうございました。
また、素敵な企画を企画運営してくださった主催様、あたたかく見守ってくださった皆様にも、重ねてお礼申し上げます。
最後に豆あり様、思いがけず民として所属していただきとても嬉しく、お話を楽しく拝見させていただきました。ありがとうございます。
2017-07-25 14:50:22 +0000