【人形日】書棚のフォーカ【アフター】

佐鳥
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☆企画元:人形館の安息日【illust/54961214】(※本編終了済み)
およそ1年越しとなってしまいました。無期限アフターへの参加です。

◆プロフィール
名前:フォーカ
性別:女 身長:140cm ココロのカケラ:5
予感:1「忘却」 たいせつなもの:6「本」 おもいだしたもの:3「炎」 ギフト:9「地の祝福」 確信:9「責務」
一人称:わたし 二人称:あなた等
最終場面での姿【illust/57844075
最終選択:ED1「脱出」

――*――*――*――

 その少女は書棚のあるところならどこにでも現れる。町の資料館、学校の図書室、富豪の邸宅の書斎、古い館の子供部屋――そこに本があり、人がいるなら、彼女にとってはみんな同じ。
 彼女はお節介で神出鬼没。目指すものがある子供には、その道の役に立ちそうな本を。家に帰りにくい子供には、気晴らしができて夢を持てるような本を。そんなふうに本を薦め、いつの間にか姿を消してしまう。
 喪服のように黒い服を着ていることもあれば、花嫁のように白い服を着ていることもある。ぬいぐるみを連れていることもあれば、仮面を片手に微笑んでいることもある。どこまでも気まぐれで、姿も居場所も定まらない。
 幽霊。怪異。都市伝説。彼女をあらわす言葉もまた、定まらない。

「わたしはフォーカ。どこか遠い国の言葉でアザラシという意味。わたしが生まれた町では、動物に関わる名前をつけるのが流行っていたらしいわ。元気に育つように、っておまじないもあったんじゃないかしら。わたし、アザラシは好きだし、自分の名前も好きよ。
 ……ねえ、あなたの名前は?」

「館で出会った子の手を引いて、わたしなりに正しいと思うほうへ進んできたつもりだけど、相手の進むべき道にとっては余計なことばかりだったのかもしれない。導きとか、共感とか、自己満足を押し付けただけなのかもしれない。
 だけど信じたいの。今までの全部が正しくなくたって、未来が善いものばかりじゃなくたって――みんなもきっと、新しい幸せを見つけられるって」

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本編でご縁をいただいた皆様、素敵な企画を組み上げてくださった主催様、本当にありがとうございました。

#【人形日】#【人形日】アフター#【人形日】脱出#【人形日】女性#◇鳥ノ子

2017-07-16 12:19:03 +0000