九十九路の羅針盤【illust/60865485】最終期に参加させていただきます。
❖名前:ブノワ(Benoît・B)
45歳 / 無性 / 165cm / 羅針盤【月光】
一人称:わたし / 二人称:あなた、呼び捨て
ポイント 500pt (強靭:30 知能:200 器用:110 機敏:60 幸運:100)
続投【illust/63215804】
❖個人的な戦闘要員としての雇用関係を得て主従関係の素敵な絆を結んで頂きました(7/9)
戦魔女の子孫:ディレム・カンパニュラさん【illust/63640505】
国外からの客人に王であるわたしは言葉を掛ける。
ふと現れた客人に、生まれる命を眺める時間を過ごしてから出会ったのは、わたしの心を惹く命を壊す武器だった。
「ようこそ、わたしが王のブノワ。あなたは?」
交わす言葉の中で戦場と耳に入れば、乞わずにはいられなかった。
歩んできた戦場の数に、散らしてきた命の数を想い、命を壊したいと願いながら、
壊した後のわたしがどうなるのかわからないからという恐怖に縛られているわたしには戦場の話をする客人が羨ましかった。
雇用の話を持ち掛けられれば、壊すことができないならば命が壊れる、なくなる瞬間を見てみたいと思うのは必然だった。
「戦場に行ってみたい、あなたが歩んできた戦場に連れて行って。
傷の付かない身体だけど、わたしは戦う力はないから、そう、あなたはわたしのかわりに戦って」
「敵……? てきとは……? わたしに敵はいないし、あなたに敵は? 敵が必要というならばあなたにとっての敵をみつけてくるよ」
命を敵として考えたことはなかった。
戦場を見つけようと年の離れたあの兄ならば知っているだろうと近国の状況を聞き、戦場へと足を運べる事になった。
――――
出会った時とかわらず、ふわふわとした雰囲気で戦場に降り立ち命を散らして進むあなたの後ろをわたしは歩む。
咽返る程の血の匂い、命の終わる声、温度のなくなっていく命を感じ、見て、広がる想いはなんという歓喜。
(ああ、これが、これが、いのちが、こわれていくということ)
白い服を赤く染め、わたしの手で壊さずとも、壊し、奪って、散らせてわたしの元へ帰ってくる武器であるあなたに
満たされる気持ちは正しく満足感であり、それはどうしようもない安堵感をわたしにもたらした。
「ありがとう、……ありがとうディ。よくやったね。満足したか、と? ……ふふ」
あなたの赤く染まった服を、頬にもついた赤い部分を嬉しさと充実感に浸るように撫でて褒めて、撫でてはたと気づく。
「……怪我は? 大丈夫? 傷を負ってはいない? 帰ったら医療施設を案内してあげる、満足したよ、帰ろう」
一度得てしまった満足感はわたしにあなたという武器に執着心を抱かせた。
――――
幾日かたてば国から去ろうとするあなたがいて、それは当然の事だとうと頭では分かっていた。
けれど、わたしは知ってしまった、得てしまった。
わたしの手で壊さずとも得られるものを、あなたはわたしに与えたんだよ。
「戦闘雇用が終わったのはわかっているよ。けれどね、ディ。
わたしはあなたが欲しい。わたしの為に、わたしだけの武器としてあなたが欲しい」
「うん、戦場をあげる。
うん、岩石から生まれるの命の分だけ命を奪う、それは命は平等に扱うべきだからで、無暗に奪う事は出来ない。
うん、わたしにとって意味のある事が、あなたにも意味のある命になって。
うん、忘れない。わたしが願い、あなたが奪った命がわたしに与えてくれるものを」
「ディ、……ディレム・カンパニュラ。あなたが、あなたという武器が欲しい」
――――
わたし達という命を運び、命を奪う武器であるパドルを手に小型船舶を動かすあなたをみるのはもう数えきれない。
そのパドルを扱ってみたいと、壊してみたいと言ってみたこともあった。
わたしには扱えないと言われたほかに、小さく笑って答えたあなたの言葉を思い出して、
「今ならそのパドルを触らせてくれる? もう壊そうと思っていないよ。
それに、例えこの船が落ちたとしてもわたしとあなたは壊れないし、もうわたしとあなたが壊れるなんて考えられない。
そう、考えられないよ。あなたがいないとわたしが壊れてしまう」
幾つもの戦場で見ては感じては得る事の出来た満足感はわたしを穏やかにしていった。
物を壊すことはなくなり、作るだけになった装飾品をあなたに手渡しながら生まれる命を眺めて会話を重ねる。
「ああ、また命が生まれたね。奪う命の数に加えないと。今度行く戦場は少し大きいけれど、奪う数は決まっているからね」
「行った事のある戦場の近く? その話、聞かせて。……ディ、また独り言を言ってるよ。もう一度、わたしに聞こえるように言って」
「そうだ、今日は何処に行っていたの? おやつの時間? ああ、あそこに行ってたんだね」
「それ、わたしが贈ったもの? 身に着けている姿を見れるのはいいね、あなたがわたしのものという証のようで。
わたしの武器であるから間違いではないけれど……ふふ」
重ねた時間から分かるあなたの笑みと共に返された言葉に、戦場で得られた時の歓喜の思いが込み上げて、
わたしの武器を撫でれば、早く早くと命が壊れる充実感を得たいと逸る気持ちで溢れた。
「そうだよ、そう。わたしだけの武器。おいで、ディ」
岩石から生まれる命を眺めて、自室で玩具などを作ったりしている時間を過ごすわたしの傍にはあなたが。
大切な命。大事に使っている、大事な命になったあなた。
「行こう、ディ」
わたしに与えて、路を赤く斬り開いていくあなたをみせてと軽い足取りで向かうのは――命が壊れる場所。
❖国内と王の血筋とは(CS2枚目参照)
❖所属について
目ぼしいものは特に何もありませんが、移住、旅人などご自由に。
王族民としての所属の場合「頭部と尻尾に鉱石がはえており、光の粒子が舞っている」キャラクターのみとさせて頂きます。
不備、問題等ありましたらお手数ですがご連絡の方宜しくお願いします。
2017-07-04 10:45:04 +0000