振り下ろした渾身の一撃が暗黒の怪物を貫く。
黒い影の塊にも剣が通用する様だ。突き刺さった刀身をより深く突き刺す。体内を破壊すれば流石にこの怪物でもただでは済むまい。
突き刺したところから何かの液体が吹き出てきた。この怪物の血液だろうか。
怪物の触手が踠く様に空を彷徨う。それが私に絡みつき引き離そうとするが、そうは行くか!ここで仕留める!
刀身が半分以上突き刺さった頃、暴れていた触手が次第に力なくだらりと垂れ下がる。
「死んだか…?」
剣を抜き取り、怪物の様子を伺う。しばらくの沈黙と緊張、ふぅと息を吐く。
怪物の上から飛び降り、振り返ると奴の表面の靄が液化しドロドロと流れ出していた。
油の様な臭いがする。いや、これは油なのか?一応採取して置くか。
しかしこの怪物はどこから現れた?もしやこれがキアラの魔眼に見えた滅びの前触れなのだろうか…。
2017-06-10 17:30:26 +0000