【九十九路】絡繰り蒸気機関 花ノ居【第五期】

そらし
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企画元様:九十九路の羅針盤【illust/60865485

絡繰り蒸気機関花ノ居 カヤマ
 ポイント:200pt(強靭:10知能:50器用:120機敏:10幸運:10)
前世代:ニイノ【illust/62780208
前世代絆相手:カミの島 パークラフ/ペールシエル・パークラフさん【illust/62768546
前世代絆相手今期:ペールトゥール・パークラフさん【illust/63198602

◆name:カヤマ(年齢:27歳/身長:180センチ/性別:男)
花ノ居の代表。15年ほど前に前代表が急激に体の変化を来し早めの引退をしたため、既に10年以上代表の地位にある。
真面目で近寄りがたい雰囲気の青年。平均身長が低めの花ノ居の中では大きめなのでその点もあるのかもしれない。
国内の重鎮にも、大国の代表相手にも毅然とした態度でいるため、強い権限と信頼がある代わりに内心とてもストレスフル。
工房籠り生活歴も10年を超え、時間と曜日感覚と味覚嗅覚がだいぶ駄目になっている。
親しい人しか知らないが、左手足が人形のもの。20歳くらいで一気に変化して以降の変動はない。

絡繰り蒸気機関 花ノ居【illust/61214809
火山活動が確認されており、霧のような湿気に覆われた盆地。
それ自体がひとつの街であり、自治区域であり、ひとつのギルド。基本的には外需依存。

今から190年ほど前に技師たちが自分たちの利権と技術を守るべく独立した都市を形成した。
独立の際に中心となった若者を代表に据え、現在までその一家が代表を継ぐ形となっている。

《輸出品の一例》
工業製品(軽~重)、加工製品、既製品の修理、技術者の派遣、インフラ整備など
《輸入品の一例》
食糧作物、魔法製品、嗜好品など

❁素敵な絆を結ばせていただきました!
瑶姫さん【illust/63175378

彼女が訪れたのは花ノ居にしては天気がいい日だったように思う。
俺は余程動揺していたのか、スケジュール帳のメモが書いては消してあるため日付は自信がない。
技術に関する交渉以外で、個人的に訪問の申し入れが来たのは就任以来久しぶりだった。

『花ノ居で咲かせてください』と言われた時、頭の整理に数呼吸かかった。
まず、彼女が生まれ育ったというアクアパレンツァという国。聞いたことはあった。技術も有名だが、美しい国だとも。
次に、華鬼という種について。これは理解に時間がかかった。文化圏は近いように感じたが、生態が特殊の一言に尽きる。
最後に、彼女個人のこと。アクアパレンツァのシンパニア王の娘で?母と同じように咲く場所を探している?
いやいやいや、おかしいだろう、と。

「それは光栄な限りです。しかし、ここまで来るまでにご覧になったでしょう。
 この街は美しさや自然とは縁遠い。ここで咲くなどと言うのは、さぞ息苦しいことでしょう。
 他国に訪問して舞い上がる気持ちはわかりますが、もう一度冷静にお考え直しください」

今思うと無粋で無礼な言葉だったと思う。
瑶姫と名乗る女性は少し笑っていた。繊細で可憐そうに見えて、随分肝が据わった人だった。
そういえば、という話ではあるが、花ノ居の住人も基本的に、工房を持つ職人の男より家を守る女が強い。
(花がたくさん咲ける場所なんてあっただろうか・・・・)
とぼやくと、最近は寝ていることが多かった高齢の祖母と滅多に帰ってこない父が花だったら任せろと押しかけきた。何なんだ。

「どのくらいの規模になるかによるが、区画整理の影響か土地は意外と空いていた。
 故郷と同じように水が綺麗な場所がいいなら、いやアクアパレンツァと比べるのも烏滸がましいものだが
 少し北にいけば水源近くの川がある。街が見える場所がいいなら丘の上の公園なんかもある。後はーー」

俺はいつ不動産屋になったんだという気分で作成した土地のリストアップを携え、彼女に言われるがままに案内をしたこともあった。
彼女は大抵既によさそうな場所を見回った後で、ああ、本気で咲く場所を探していたんだなとかなり遅れて感心したものだ。

納期に滑り込む形で依頼を終え数日ぶりの太陽を浴びながら工房を出た日、珍しく午前中で仕事が終わった日、
決まった曜日に瑶姫は食事を作って持ってくる。そのことが何となく少しくすぐったかったが。
彼女が食事を作ってくる曜日を認識する頃には、既に食堂のお母さん達や商店の人々とにこやかに話すようになっていた。
なんだ、俺が心配する間でもなく、花ノ居に溶け込んでいるじゃないか。
『珍しいね~代表が笑ってる!』
ええいうるさいな、笑ったら悪いか。

一緒に花を見に行った。お前の色が少し変わっていることに気付くのには少し時間がかかった。
沢山話をした。俺は口数が少ない方だが、それでも短い時間を巻くように。

「最初の願いの答えを、あの時は押し切られて渋々、という形だったからな。必ず伝えなければと思っていた。
 花ノ居のために、俺のために、ここに咲いてくれたら嬉しい。そのために俺も街も最善を尽くそう。
 何十年も、何百年もずっと花ノ居で誇れる花として。歓迎しよう、瑶姫。」

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2017-06-04 10:23:34 +0000