火星へ渡る夢を見た。大きな客船で火星の港へ、普通の海の港のような港へ着く。寂れた商店街と資料館を歩く。火星はずっと涼しい夜で、空には星がよく見えた。帰りの船に乗る前に、ボートからボートへ乗り移る。水面に真綿の感触の雲が浮き、その上にボートが載っている。揺れるボートを押し返す水の弾力、さざ波のたつ水面は確かに水の質感だが、その水は宇宙である。もしも落ちれば果てしない宇宙空間へ吸い込まれ、二度とは帰れない事を知っている。
2017-06-01 13:49:52 +0000