「………………みるく、のむ?」
🐑黄金羊のホロ ?歳(外見4〜5歳)/♀/100cm
ポイント 50pt (強靭:0 知能:0 器用:0 機敏:10 幸運:40)
美しい毛並みと星を散りばめた角を持つ黄金の子。夜の間だけ星の力を借りて空を駆ける。
簡単な言葉は理解できるが、難しいことや文字は分からない。
好奇心の赴くまま、素敵な出会いとおいしいミルクの時間を楽しみに道を行く。
時折星を指差し「ホロのおにいちゃん」だと言い張ることがある。
🐑もちもの
森のミルク:ガラスの瓶に詰まった、飲んでも飲んでも尽きぬミルク。
本来は傷や病をたちどころに治す力を持つが、泉から離れた影響か疲労が少し回復する程度の力しかない。
おいしさは据え置き。とってもおいしい。
🐑「森」と「泉」について
とある女神の加護が宿るミルクの湧き出る泉と、それを囲む名も無き小さな森。
かつて多くの人々が傷や病を治すために集まって来たが、やがて大きな争いに発展し、
それを嘆いた女神によりあらゆる道を断ち切られたと伝えられる。
もはやその言い伝えを知る者はごく僅かであり、御伽話や童話のような、実在しないものとして扱われている。
✧素敵な絆を結ばせていただきました!✧
銀の守り手 トゥテラリィさん【illust/62835504】
ふよふよ、ふわふわと、今日もその子は満天の星空の下をさ迷っていました。すると、
「…んーなぁに?あぅ、ツンツンしないでぇ…あっ、とりさん!まってまって…………んー?だあれ?」
黄金の子は、銀の子と出会いました。
どうやら、野宿の準備をしている旅人のようです。先程の青い鳥は、この子のお友達みたいです。
『トゥテラリィ』と、銀の子は名乗りました。
「…と?と、て、……とぅ、ら、り…トリィ、でもいい?…ホロ?ホロはね、ホロっていうの!」
「?おうち?おうちってなぁに?…おや?きょうだい?…んー?えっとね、お兄ちゃんなら、いるよ。ほら、あそこ。ピカピカ、キラキラのホロのお兄ちゃん。」
「ねぇねぇ、それなぁに?パチパチいってるの。…たきび?キレイね………ふぇ、なぁに?…さわっちゃだめ?そうなの?ふぅん…キレイなのに……」
「…わあ、これもキラキラ、キレイね。ん?これを、こうして…?なにこれ?…きゃらめる?…おいしい?……はむ………!おいしい…!」
「あ、ホロも、ホロもっ、あげる!ミルク、おいいしいよ…!」
「…ふあ……………いっしょに?……うん、いいよぉ………ふわぁ……んー…おやすみなさい…すぅ……」
それから二人は、長い道を共に歩いていきました。
まるで世界のことを何も知らないような黄金の子は、たくさんのことを銀の子から、銀の子との旅路から教わりました。
「トリィ、それいつもしてる。なにしてるの?…にっき?……へぇ、なんだか、それってとってもすてき。ねぇ、ホロにもできる?…うん!いっぱいおしえて!」
「やど?今日はのじゅくじゃないの?……ここでねるの?ふうん……!トリィ、これとってもふわふわ!きゃー♪(ころころ)」
「なにしてるの?…りょうり?ん?ホロのミルク?はい、どうぞ…んー?のまないの?」
「…!いいにおい……トリィこれなあに?…いただきまーす……あつ、あつっ…!…でもおいしい!え?ホロのミルクなの、これ?…すごい!トリィはまほうつかいなの…!?」
「うー…雨はきらい……びしょびしょ、やー…。」
「…あ、やんだよ、トリィ!お日さまもうすぐくるね…!ん?あっち…?なになに……わぁ!あれは、あれは何?とっても、とってもキレイ…!…にじ…にじね!とってもすてき…!」
文字、料理、分かち合うことの喜び、自分の足で歩いて見つけた『キレイなもの』の尊さ。たくさん、たくさんのことを学んでいきました。
でも、まだわからないこともありました。
「『守りたいもの』…?それってどんなの?キラキラしてるの?それともおいしいの?…………?」
「これは、教えてくれないの?………ホロが、自分で見つける、の?………そっか…。」
ゆっくりと、けれども確かに、分かれ道は近づいてきます。
「ホロね、さびしいって知らないよ。だってずっと一人だったから。…でも、今は………わかんないや。へへっ…。」
「…でも、それでも、ホロはもっと知りたい。『守りたいもの』を、みつけてみたい…。だって、『守りたいもの』のことを話したときのトリィは、とってもすてきだったから。まちがいないよ。」
ゆっくりと、けれども確かに、黄金の子は大きくなっていきます。
「だから、きめたよ。…ホロ、行くね。……やくそく、してもいい?…あのね、『守りたいもの』をみつけたら、まっ先にトリィに伝えるよ。世界中どこにいたって、かならず。
それまでに、おきにいりのペンもみつけるの!それで日記も、手がみも書くんだ。………今までありがとう、トリィ。ホロ、とっても楽しかった!いっぱい、いっぱいもらっちゃった…!」
「元気で……だいじょうぶ、…ここからは一人だけど、ひとりじゃない。この先の道にも、きっと、ぜったい、すてきな出会いがまってる…それに、トリィがいるから。
やくそく、わすれないで…!………さようなら…!また会う日まで、ホロ、がんばるから…!」
少し背丈の伸びた黄金の子は、元気よく手を振ります。
涙はこらえて、その銀色の髪を、瞳を、焼きつけるように。
出会った時と同じように、満天の星空は二人を優しく見守っていました。
🐑九十九路の羅針盤【illust/60865485】
行きなさい、憐れな落とし子よ
貴方のお兄様たちも、彼方より見守っているわ
2017-05-17 16:20:38 +0000