【九十九路】ジェスカ【第四期】

千石亭■ブクマゆっくり
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「守ろうと思うなら、時に先手を打つ事も必要だろう」

◆ジェスカ◆
*ポイント:100pt
《強靱:42 知能:22 器用:15 機敏:15 幸運:6》

*既知関係および特徴・能力等を反映した種族・人物はこちら【novel/8157179】を参照。

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*100歳前後[顕現以前の月日含む] / ♂寄り
*198cm
*フィドラ頭領 / 付喪神
*羅針盤:太陽

*一人称:俺
*二人称:お前、貴様 etc...
*年齢性別関係なく名前呼び捨て。身分等々関係なく敬語は使わない

*その他詳細はキャラシ参照。

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■犠牲の上の絆■
藍棘さん【illust/62678904

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強くあらねば守護は成し得ず、守護の為には強くあらねばならぬ。
ならばどうするべきか。この国を守ろうと思うなら、これからの我々はどうあるべきか。

答えは至極簡単だ、要は勝利すればいい。襲い来る外敵は撃ち払い、時に先手を打って外敵となり得るものを駆逐する。
この思想を危ぶみ、俺を『暴君』と呼ぶ者もいる。構うものか。それら全て、先代達が築き上げたフィドラを末永く守り抜く為だ。

しかして伝え聞いた常勝の騎士らに、当然の如く、俺は依頼書を投げ付けた。

「花が剣とは、随分と殊勝な事だ。花だろうと剣だろうと棘だろうと弾丸だろうと、何者であれ勝利を掴むというなら、俺の知った事ではないがね」
「るぁんじー?藍棘、か……呼びにくい名だな。……忘れろと言われても困る。識別の為の固有名詞も無ければ、作戦時の個人展開に支障が出るのだ。何、用が無ければ呼ぶ気も無い、案ずるな」
「ジェスカ。俺の名だが、貴様にも言った通り必要時以外は呼ぶな。生憎、俺は忙しい」


契約に要る書類達がインクで埋まった、その頃合い。
何やら不穏な──俺のやり方が気に食わない奴らの──噂がどうこう、国内で囁かれていると部下や先代が言い出した。詳細はいまだ不明点ばかりだというのに、念のため、を押してくるのは先代の悪い癖だ。

「近衛ェ!?俺にか!?誰がそんな……あぁ、あのお節介焼きめ。貴様らの雇い主は俺だろう、先代は……手当?もう受け取った?……はぁ……勝手にしろ」
「好きで得た姿ではない、そういう性質だったというだけだ。だが、そうか。威光を示すには、龍への畏怖もお誂え向きの材料か」 
「美醜なぞ、剣には本来不要なものだ。害成すものを貫く事だけを考えろ、それで充分だろう」


花の咲いては散る口元の弧は、泡沫の様相。空虚を孕む、とは矛盾も甚だしいが、言い得て妙。
言われた通りに勝ち、守り、随伴する。受動的に過ぎるのは些か考え物ではないか。……俺にとっては、丁度いいのやもしれんがね。

「一介の雇われ騎士如きに、俺の何が理解できようというのだ」
「今更、在り方なぞ変えられぬ。故に背がガラ空きだとのたまうなら……そも、何の為にお前は俺の近衛に就いている?」 
「……お前、戦場以外ではもう少し我を持って構わん。反論のひとつ無いのは、今まで経験が無い。何だ、要は、アレだ、慣れん。……何だ、命令ならいいのか!?」


この国に今必要なのは、往く末を切り開く弾丸。描くは直線。
そういうものに、俺はなりたかった。

それが間違いだというなら、どうすれば、どう在ればよかったというんだ。
果たして『人』足り得るには、何が必要だったか。

「意味を求めるな、それは俺の仕事だ」
「お前はただ勝利を持ち帰ればいい。ひいては、それが俺を、俺の守るべき国を守る事に繋がる」
「往け、そして勝て。それが依頼だろう、戦に私情は不要だ」


火急の知らせ、間髪入れず戦支度。
隣国が侵略を目論んでいるらしく、ならば先手を打つべしと物量を掻き集めた。
部下や先代を押し切る様を、あの騎士は文字通り壁の花、黙して見ていた。

そうして本陣で構えるその眼下、風を切る馬上、青い薔薇が翻る。

不意に視界の端を、閃光が貫いたような。
瞬間、騎士の腕がこちらの体を押し退ける。

見覚えのある──俺のやり方が気に食わない奴らの──顔が、遠く敵陣の群衆で騒いでいた。
あぁ、そうか。『念のため』とは、かくも見事に。
花に嵐が吹き付けるが如く、その崩れる様のなんと呆気ない事か。

「誇り?知った事か。己が曖昧だとして、ならば曖昧で結構だ」
「少なくとも、俺が近衛としたのは″藍棘″という騎士だった。それだけは確かだろう」
「醜い事の、強欲に傲慢に在る事の何がいけない。何が──」


美しい、と湖を謳って、穢せないから遠くへ消える。それこそ、傲慢ではなかったのか。
幸いと嘯くその小さな散り際の綻びは、余りにも儚いクセに、何よりも強欲な色に満ちていたではないか。

神に空虚とは、まず得難き感情であった。
持たざる者が持ち得た事以上に、奇跡などあったものか。
──花が神へと、″奇跡″を願うなぞ。

裏切りの民ごと敵陣を覆い潰し、その上に勝鬨の旗を掲げた。
斜陽の赤。その中で鮮烈に、青は散った。

「その散り様に悔いは無いと、お前がそう言うなら、それでいい」
「俺に栄光を謳うなら、それは恐らく、極上の呪いと相違ない」

「これほど空虚な勝利が、今まであったかね、なぁ」
 

「──」


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◆既知関係について◆
*絆以外の既知関係は随時募集しております。
*既知関係をご一考いただける際は、簡単にでも「こういった関係はどうか?」などの軽い関係性を添付してくださると幸いです。

◆初期所属について◆
*元は旅人や移民の集まり、様々な種族の人が暮らしているので、種族の縛りなどはありません。今期は国の思想が少々変わりつつありますが、基本的にはみんなと仲良くしてくださるなら、どなたでも大歓迎です。

◆メッセージについて◆
*メッセージはその日の内に返信出来るよう努めますが、もし二日以上経っても返信が無い場合は未着の可能性がございますので、再送していただけると幸いです。

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やってまいりました第四期!
問題等あれば、遠慮なくご指摘くださると幸いです。

何卒よろしくお願いいたします!

◆企画元◆
九十九路の羅針盤
illust/60865485

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2017-05-11 08:33:27 +0000